月別アーカイブ: 2011年4月

ボンネットバスに乗って・・

大きな竹の子を貰った僕は、
重くって、山道は担いで下りれません。
爺ちゃんの里の
誰かが担いでバス停まで運んでくれます。

ぶーぶーと、カーブを曲がって
ボンネットバスが来ます。
僕と竹の子の袋を、わが町で降ろしてくれるよう
よーく頼んでバスに乗せてくれます。
戦後の臭いのする其の頃は、
自家用車を持つ人も無く
バスもけっこう混んでます。
車掌さんは大して迷惑がる事も無く、
引き受けてくれます。
荷物だけを頼む人さえもいたりします。
それで狭い通路は荷物がごろごろしています。

我が町に着くと、車掌さんが
僕と荷物を下ろしてくれます。
荷物は後で爺ちゃんが取りに来ます。
そして自分の古里の味を懐かしみます。
思い出せば、あの大きな竹の子の根っ子は
堅い歯応え充分の竹の子です。
爺ちゃんに取ってはあれが
古里の味なんでしょうね。
がりがりがり・・・・

春祭りのお土産

爺ちゃんの里は、
ボンネットバスで県境近くまで行って、
其処から山をくねくねと
赤土のずるずるする道を登った、
山襞に隠れるように在る
十軒ばかりの村落の一番奥です。

其の村の春祭りは4月29日です。
昭和天皇さんの誕生日で、祝日です。
子供の頃は毎年行きます。
ちらし寿司などご馳走に成って、
あとで、竹藪へ竹の子堀に行きます。
4月の終わりは竹の子の季節も終わりでしょうか?
孟宗竹の太い竹の子がにょきにょき出ています。
すっかり僕の背の高さを追い越して、
ほとんど竹に成りつつ有るのまで在ります。
「これはどうだ」と、小父さんが言って、
土から顔を出したばかりの竹の子を掘ってくれます。
「掘ってみるか」と、小父さんに言われ
僕もトンガ(研鍬)を振り上げてみますが、
よろよろとして、狙いも定まらず、
ひ弱な僕の一撃は竹の子の頭を掠めるだけだったり、
充分に根元まで掘れる事は有りませんでした。

爺ちゃんの里の若い小父さんの
掘り出してくれた竹の子は、
本当に僕の体ぐらい有ります。
そんなのを2,3本、肥料袋に入れられて、
爺ちゃんのお土産に成ります。

ガリガリ食べる筍

今週から急に暑くなり
毎日、冬物の洗濯です。
竹の子の皮を剥ぐごとく、
コートを脱いで、厚手のフリーズ、
セーター類を脱いで、
シャツやベストで過ごせるように成ります。
日曜日まで冬支度だったのが嘘のよう!

竹の子と言えば今は旬です。
竹薮ではどんどん育っているでしょう。
昨夜、隣りのばぁちゃんから
竹の子の炊き込みご飯をもらいます。
ラップを捲ると、良い匂いがします。

爺ちゃんは山育ちで、
山で取れる物は大好きです。
竹の子が出始めると毎日でも食べます。
味噌汁の具、お煮しめ、天ぷら、木の芽合え
メニューを変えて旬の味を楽しみます。
それでも爺ちゃんは、
出始め頃の柔らかい旬の竹の子より、
土から頭を出し、
竹に育とうとする竹の子が好きです。
子供ほどもある竹の子の皮を剥がし、
先の柔らかいところを捨て、
根っこの堅いところを好んで食べます。
食べると、もう竹の味がしています。
それをガリガリと齧るように食べます。
あ、そうそう、其の時の爺ちゃんの顔は
トレ君が骨を齧っている顔と似ていました。

ちりいそぐはな!

隣りのばぁちゃんが、
お友だちから たしっぽ”をもらったと、
其れを炒めてお裾分けが有ります。

土筆が出て、桜が咲くと タシッポの季節です。
お爺ちゃんが生きてた頃は、
4月に成ると毎週、山に出掛け、
タシッポを沢山折って来ます。
そして、せっせと皮を剥いて、炒めて食べます。

肉やベーコンと塩コショウで炒めたり、
牛肉で鋤焼きの様にして食べます。
桜前線と共に、タシッポの生えている所は
山を登っていきます。
お爺ちゃんは其れを追っかけて山を登って行きます。
隣りのばぁちゃんからのタシッポは美味しかったけど、
お爺ちゃんと食べたダイナミックなタシッポ料理が
懐かしく思い出されます。

今日は、急に暑くなって、強い南風です。
満開に咲いた桜がさーっと花弁を散らせています。
タシッポ前線も一気に山を駆け登るのでしょうか?

白木蓮

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未だ植えて間もない木ですが、
一昨年から沢山の花を着ける様に成ります。
何故か昨年はほとんど咲きませんでしたが
今年はまた沢山の花を着けてます。
花にも表年、裏年って有るのでしょうか?

今年は2月、3月と寒い日が続きました。
それでお彼岸過ぎから、
いっぺんに春の花が咲きます。
北の気候に成ったのでしょうかね?

我が家の白木蓮の木は若いので、
驚くほどに咲き乱れる事は有りません。
僕はこんもりと咲く木蓮より、
一輪一輪、蝶がひらりと舞い降りた様な、
そんな花すがたが好きです。

接写 

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以前、ずーっと前です。
未だ未だ視力も有った頃です。
「わー!なんて綺麗な花だろう」と、
思わずテレビ画面に見入って仕舞いました。
画面いっぱいに咲き乱れる花は、
さくら?欄?、どちらにも似ているけど、
もっと華麗に咲き誇っています。
テロップを見てびっくり、
「雪やなぎ」と、其処には書いて有ります。
素そとして、健気に咲いている風情の
雪やなぎを感度の良いカメラで接写すると、
豪華絢爛に映るです。

それを思い出し、
庭に咲く雪やなぎを携帯の接写で撮ってみました。
テレビでは花一輪が
シンピジュームの花ほどでしたから、
あれほど絢爛豪華には成りませんが、
今は盛りと咲き誇るさくらには負けてませんね。

さくら咲く

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四月に成って
寒い日が続いてます。
でも桜は咲きます。
あっちでもこっちでも
今週は満開でしょう!

写真は3月31日に撮りました。
我が村で一番目に咲くさくらです。
お宮さんの角に在って、
此のさくらが咲くと春が来ます。
そして此のさくらが散ると、
本格的なさくらのシーズン
花見の季節です。
今日、散歩の時、見ると、
一足早く
此のさくらは葉桜に成っていました。

17−旅は北へ・・そして南に帰ります。

改札口まで
鳥取トラベルボランティアのスタッフさんに送られ、
駅員さんに引き継がれホームに出ます。
もうホームには列車が着いていて、
乗り込み、席に案内されると、直ぐ列車はでます。
わっ!レトロなカフェでのんびりし過ぎたかな。

暫くすると車掌さんが検札に来たので、
トイレの位置を聞いておきます。
一時間近く走ったところで、車掌さんが、
「トイレにご案内しましょうか?」と、
わざわざ、親切に来てくれます。有り難いです。

列車はどんどん南に向かいます。
雪深い山の中を超えると山陽道に入ったのか
雪は全く無くなります。
列車がスイッチバックする地点に来ます。
「皆さん座席を反対向けてます」と、
通路の反対側の女性客さんが声を掛けてくれ、
僕らの座席もくるりと回してくれます。
「おとなしいですね!」と、トレ君は褒められます。
そうです。帰路の列車では、おとなしいを通り越し
トレ君はひたすら眠ってます。

岡山駅の乗り換えも、いつもの様に駅の介助を得て、
無事予讃線に乗り換えれます。
もう瀬戸内の海は真っ暗です。
我が駅の近くに来ると、後ろの席から、
一緒に降りましょう!と、誰かが声を掛けてくれます
ワン吉さんお帰りなさい!と、ドアの所まで、
馴染みになった駅員さんが迎えてくれてます。
予約していたタクシーの運転手さんもホームまで
来てくれてます。
タクシーに乗る前に空き地で、長ーく我慢させていた
トレ君のオシッコをさせてもらい、
ほっとした気分で我が家に着きます。

これで鳥取東部モニタリング旅行記を終わります。
トラボラの皆さんや
各施設のスタッフさんお世話に成りました。
そして、諸所で受けた小さな親切のお陰で、
被災の事は気に掛かりつつも、
楽しく、心に残る旅が出来ました。有難う御座います。
長々とお付き合いお掛けしました。では では

16−旅は北へ・・昭和レトロのカフェ

トレ君は、バス会社の研修の綺麗なお姉さんと、
張り切って砂丘を駆け下ります。
此れで、今回の鳥取モニタリング旅行は終わりです。

バスに送られ、鳥取駅に到着です。
車椅子さんやMさんの乗る列車は直ぐです。
駅員さんの介助でホームに向かいます。
僕の列車は未だ一時間ほど待たねば成りません。
トラボラさんに案内されて、
駅構内のお土産屋さんに行きます。
トレ君の食べたお弁当分だけリュックが空いてます。
ちょっとしたお土産を買いましょう。
最近話題の豆腐ちくわは如何でしょうか?
えーっ!カレーちくわ?それは珍しい。
それと、カレーにはラッキョでラッキョも買います。

4時21分発の列車です。我が家に着くと8時です。
お弁当も買って置かねば・・・。
其れは駅の外だと言う事で、
トラボラさんが買ってきてくれます。
未だ少し時間が有ったので、
残っているトラボラさんと駅のカフェに入ります。
昭和ムードのカフェです。
砂丘を走ったりしたので喉が乾き、
何だか冷たい物を頂きたい気分!
皆さんでコーヒーゼリーにします。
それが、思いの外プリンプリンして美味しかったです。

15−旅は北へ・・雪の砂漠を

午後の予定はすっかり変わって、
昨日、吹雪で行けなかった鳥取砂丘に向かいます。
鳥取と言えば鳥取砂丘です。
やっぱり行かねば成りません。

はぁはぁはぁ 砂丘に登ると汗が滲みます。
雪が有っても、今日の日差しは暖かです。
車椅子さんは雪が有って散策は難しいです。
視覚障害の我らは駱駝に乗って記念撮影です。
大柄のMさんは、アラビアのロレンスです。
ターバンは無いけれど似合ってます。
果たして小柄なワン吉は如何でしょう??
トレ君と駱駝に近づくと、駱駝さんは緊張してます。
駱駝さんは女の子だって、
ハンサムなトレ君を意識してます。
トレ君をトラボラさんに向こうに連れて行ってもらい、
僕は駱駝に乗ります。
フタコブ駱駝の背中は、思ったより広くって、
ゆったりした乗り心地です。
トラボラさんが、横から前からシャッターを切ります。
「駱駝さんの顔がトレ君に似ている」と、言ってます。
そう!優しそうな顔なんだね。
トレ君も魔法で大きくなって、
僕を乗せて歩いてくれると助かるのだが・・・

それでは、月の砂漠ならぬ雪の砂漠を一回りです。
駱駝は前後じゃ無く、左右に大きく揺れます。
駱駝は灼熱の国から来たのでしょう?
「寒くない?」って、聞いたら、
モンゴル生まれだから寒さにも強いそうです。
駱駝の散歩は楽しいけれど、
振り落とされないよう力が入ります。
30分も乗っていたら内股がパンパンに成りそう!
一回りして帰ってくると、
「トレ君が心配してたよ」と、トラボラさんが、
駱駝に連れて行かれると思ったのですか?

車椅子さんが砂丘をバックにトレ君との
ツーショットをお願いします。と、言ってます。
ワンちゃん大好きの彼女に写メールです。
トレ君は「ガンバレよ!」と、
車椅子さんに激励のチュゥします。