月別アーカイブ: 2011年3月

旅は北へー14

早くも18日の昼の時間です。
白兎海岸の食事所へ入ります。
平日なのにかなり混んでます。
兎年で、白兎神社へのお参りも多いのでしょうか?

ほとんどの皆さんランチ定職の注文です。が・・
やっぱり僕は地元らしい物を食べたいです。
白兎丼‐見てびっくり!と、内容の知らされて無い、
白兎海岸らしいメニューが有ります。
では、其れを頂いてみましょう!
混んでいるのでなかなかドンブリが出てきません。
前の席では手も不自由な車椅子さんに
トラボラさんが定食のお魚を食べさせてます。
小骨が有って大変な感じです。

あっ!来ました 白兎丼(はくとどんぶり)
どんなドンブリでしょうか?楽しみ!楽しみ!
わー真っ白なドンブリです。
イカを細かく刻んでご飯に敷き詰め、
真っ赤なルビーの様なイクラが乗ってます。
なーるほど、白うさぎを表現してるんですね。
イカは新鮮で甘く美味しいです。

昼食にだいぶ時間を取ってしまいます。
で、白兎海岸散策や白兎神社のお参りも、
お土産を買う予定の道の駅白兎も行けません。

13−旅は北へ・・和紙工房

外に出ると日差しは眩しく注ぎ暖かで、
周りが雪景色なのが不思議なほどです。

18日 午前中は和紙工房で行灯作り体験です。
旅館の車に送られて行きます。
和紙工房に入って、制作見本を見せて頂きます。
和紙を二重に重ねて、
切り抜いたシルエットを楽しむ物。
三枚の和紙でモミの木を作り、
星や靴下の形を切り抜き、クリスマスツリーを・・
電灯をを入れると雰囲気が出て綺麗です。
制作意欲が高まります。
でも、持って帰ることを考えて、
小さく簡単な和紙を丸めるだけの行灯にします。
春です。春らしく和紙に桜の花弁を散らせます。
桜の花弁は濃いピンクから淡いピンクまで何色か
予め切って有る物を使うのですが。
見えない僕らは其の違いが分からず
バランスを考えた配置は難しいです。
ボランティアさんに色を聞きながら張って行きます。
手探り、触ったり透かしたり、
斑染め和紙を頂いて、月と群雲も張ります。
「渋いね!」と、褒められます。
今にして思うと、もっと素敵なアイデアが浮かびます。
手を使い制作すると眠っている頭も回転してきます。

工房の奥には大型の行灯が沢山 展示されてます。
枯木を支柱に使った物、かなり複雑な形態の物、
和紙と和紙の間に点滅するライトを挟んで壁飾りにした物と、アイデアに溢れています。

記念撮影を撮って、次の目的地に出発です。
昨日のバスが迎えに来てくれてます。
わっ今日は若いお姉さんも一名折られるそうです!

12−旅は北へ・・古い旅館に二住み着いた

17日の真夜中?18日の朝方?
僕の耳元で何かの気配がしています。
あれっ!何だ?トラボラさんは左手に寝ているし、
気配のする右手は襖です。
旅館って、幽霊が出たりするんですよね!
ぞく!ぞく!血の気が引きます。
そーっと手を伸ばしてみると、
ぎゃーっ!毛むくじゃらの化け物が・・
ゆっくり触ってみるとトレ君のお尻です。
襖の向こうのドアノブに結わえていたトレ君が
僕の布団の横で、
いつの間にか寝ているではないですか。
リードをつついっぱい伸ばせて、
僕の脱いだ物を枕に寝ています。

追い返そうか、と思ったが、
廊下は寒く、寂しかったのでしょう、
朝までそーっとしときます。

18日 朝です。
6時半、外は少し明るくなったので、
トレ君をトイレに庭に出ます。震える寒さです。
わーっ!昨日の雪がコチコチに凍ってます。
雪を踏むと、つるっと滑ります。
朝風呂は露天風呂と思いましたが、
裸で外に出る気力が無く、内風呂で諦めます。

朝食の時間です。
わー!こんなに食べられない!と、言いつつ
皆さん言いつつパクパクです。
カゴに小鉢が並んだ沢山の料理です。
昨夜、あんなに食べたのに、何処に入るのだろう!と、完食です!
おかゆも有って胃に優しい朝食かな!

では 18日のプランに出発です。
外は眩しい光に満ちて快晴です。
昨日の冬空は素っ飛んでます!

旅は北へー11・・モニタリング会議

温泉はやっぱり体の芯から温まります。
朝も早かったので(今はまだ17日の夜です)
此のまま眠りに入りたいけど、
大事な仕事が待ってます。
モニタリング旅行のミーティングです。
障害者が旅をした問題点など話し合います。

此の頃はJRの対応は完璧です。
一般のお客さんも親切にケアーしてくれます。
だから傷害が有っても目的地までは問題無く
辿りつけますね。
旅館は?ほぼバリアフリーで快適です。
でも中庭をぐるっと回った部屋の配列が、
見えないと分かりにくく、一人では難しいです。
それとトイレですが。和風のデザインにしているからか
床が玉砂利と飛び石に成っていて
見えないと危ないです。
スケジュールは雪で大幅に変更に成りましたが、
障害者にはオーバースケジュールかな?
何となく旅情を味わう時間が有りません。
とかの意見が出ます。
では明日!お休みなさい!

10−旅は北へ・・

さぁ!温泉です。
少し夕暮れの雰囲気のなか
今夜の温泉旅館に向かいます。
日本海の夕日を眺める!と、プランも消えて、
雪に埋まった沿岸の景色は暗く、凍えています。
一夜にして出来た伝説の小山池を
右に見ながら旅館到着です。

宿は和風の小じんまりした平屋造りです。
今夜のサポートのトラボラの男性スタッフさんを待って
部屋に案内されます。
わーっ!部屋には露天風呂も付いています。
朝風呂は露天で決まりでしょうか?

トレ君に夕食を上げます。
我らの夕食の前に一風呂浴びてと、思ったら
食事処に集合の時間に成ってしまいます。
温泉はお預けです。
此の宿は其れほど部屋数も無いが、
中庭を囲んでくるりと回って、一番奥が我らの部屋で
ちょっと全体像が掴みにくい構成です。

海の幸がふんだんに盛られた
豪勢な料理が並んでいます。
東北の被災者の事を思うと、
申し訳ない気持ちがいっぱいに成ります。
乾杯の音頭も控えめに宴会に入ります。
まだまだ、天ぷら等、料理が運ばれてきます。
中半でもう満腹です。
シルバーさんは「これほどいらない!」と、言ってます。
出来るのなら被災地に送って上げたいものです。
煮魚や蟹は仲居さんが助けてくれて、
何とか旨く食べれます。
駄目押しに、最後は卓上鍋の鋤焼です。
腹いっぱいですが、魚介類より肉が好きな僕は、
肉は別腹と押し込みます。
普段の三食分ぐらい食べました。ご馳走さま!
此の頃の傾向でしょうか?
薄味調理で胃にもたれません。

一休みして、待ってましたの温泉です。
隣りのMさんも誘って、男性トラボラさんと行きます。
浴槽の縁や腰掛も木造りで、
温かみの有る造作に柔らかなお湯、
体がほんわり温まります。
車椅子さんも車椅子ごと入って来て、
温泉を楽しみます。

9−旅は北へ

トレ君は怒っています。
鼻をひくひくさせて、
バスに戻ってきた我らをチェックです。
「何してたの?」「何か美味しい物食べてたでしょう」
敏感な鼻でクンクンです。
楽しそうに帰って来た我らは、
スルメの良い匂いがプンプンなんでしょう!
「手に持ってんじゃないの?」と、
手の平に鼻を突っ込んで来ます。
「なーんも持ってないよ!」と、両手を広げて見せると、
今度はポケットをチェックです。

それではと、お水を上げると、やっとダウンです。
雪で屋外の観光はキャンセルで、
近くの小さな水族館に向かいます。
小さな水族館は触って見れます。
入って直ぐに低い水槽が在ります。
トラボラさんが水槽から
ザリガニを掴みだして持たせてくれます。
思ったより大きい、握り拳より大きな貝です。
貝の隙間に指を入れると、ザリガニがもそもそします。
ヒトデも触ります。綺麗な星型です。
ホールの真ん中に、高さ二メートルほどの
大きな水槽が在ります。
鮫や鯛など沢山の魚が泳いでいるそうです。
僕の目には青い水がもやもやと揺らめくだけです。
一番奥はカニ類の水槽です。
此方も暗くって見えません。
柱の所に高足蟹の甲羅と鋏の部分が
剥製にして飾られて在ります。
わー、大きい!高切りバサミの様な鋏です。
甲羅は僕の出っ腹ほども有ります。
全長二メートルは有る!とか、
海底で追っ掛けられたら怖いです。
まるでSF映画の世界です。
もっともっと触れる剥製が有るとうれしいなぁ!

盲導犬は初めてとの事で、館長さんが記念撮影です。
「トレ君、ポーズが上手!」と、
トラボラさんに褒められます。
そうです、トレ君は元モデルです。よ!
それから竹細工で作った蟹を見せられます。
色んな形が有って、傘を持って踊っていたりもします。
竹の節と使って蟹の関節を旨く表現しています。
ワークショップで制作出来ます。
どんなオリジナルな蟹さんが生まれるでしょうか?
デモ今日は我らは突然の訪問なので作りません。

8−旅は北へ・・スルメ

トレ君は船長さん!
トレ君は遊覧船に乗ると、
真ん中に座って、前方の波を真剣に見つめます。
船が大好きな様子です。でも
今日の日本海クルーズは中止です。此れまた残念!

次のイベント、スルメイカ作り体験に進みます。
漁港の建物は、屋根が歩けど壁は無し。
ぴゅーん、北風が吹きぬけてます。
セメントの床は濡れてびちょびちょ。
トレ君たち盲導犬は臥せして待つ事も出来ません。
バスの中で待たせましょう!

ビニールの前掛けと手甲を着けて、
出刃包丁を持たされます。
トラボラさんが「わー怖い!」と、
見えない僕らが、目クラめっぽうに取り組む
包丁捌きを怖がります。
漁協の心強い女性部の方が
四名サポートに付いてくれます。
先ずイカの上部を真ん中から切り裂き、
おと と と 、良く切れる包丁で、
危ない!向こうまで突き刺しそう。
そしてシャツの様に開きます。それから・・
足の根元の目玉と口を毟り取り、臓綿を剥がせます。
とても生きの良いイカで、其のまま刺身で頂きたい!
其れを一人二枚作ります。
其れから、塩水でよーく洗い、
スノコに広げて、名札を付けて乾かせます。

簡単な様だけど、寒いし、水は冷たいし、
此れを商売にするにはとても耐えられない感じです。
賞品の有り難味が分かります。
あっ!いい匂いがしてきます。
何処かでスルメが焼けてます。
漁協さんのサービスで一夜干のスルメの試食です。
柔らかくって、自然の塩味が利いていて美味しいな!
うーん 熱燗が欲しーい!と、誰かが叫んでます。
漁港には海鳥が演歌を歌ってます。

7ー旅は北へ・・イカ墨カレー

「折角、遠くから来たのに申し訳ない!」と、
スタッフさん達は謝りますが、
雪の少ない瀬戸内から来た僕は、
此れほどの積もった雪も物珍しく、
バスからの景色も楽しみつつ、
港の遊覧船乗り場の食堂へ昼食に向かいます。

「何でも注文して下さい」と、言われます。
港ですから、日本海の珍味の魚貝類の定食が
充実しています。
今夜の泊まりは温泉旅館です。
そんな料理は今夜たっぷり味わえるでしょう。
トラボラさんにその他の
地元らしい料理を探してもらいます。
そうそう、鳥取はカレー王国です。
県庁かにカレー課もあるとか?
「イカ墨カレーはどうでしょう」
そんな事で、
ほとんどの方がイカ墨カレーに決まりです。
僕は欲張ってイカ墨カツカレーと
山芋のてんぷらも付けます。

わー!真っ黒いカレーが運ばれて来ます。
「美味しいですか?」と、聞かれて
不味くは無いのですがー!
イカ墨の生臭い匂いが舌に残り、
ぴりっとしたスパイシーさを無くしていて、
ちょっとミスマッチかな!と、思います。

結局、波が荒くって遊覧船観光も出来ません。
海は白波が打ち寄せています。

6−旅はきたへ・・砂丘は津波も越えません!

僕は真冬の支度で来たので、
足元も短ブーツを履いています。
少々の積もった雪は大丈夫です。
でも、降りしきる雪は冷たく顔を叩きます。
で、駅の軒先でトレ君のオシッコさせます。
直ぐ雪が降り濯ぎオシッコの痕跡を消してくれます。

早く着いた僕らは暫く待ちます。
コンコースに在る待合室は寒い!
序序に旅ボラのスタッフさんや参加者が集まります。
大山の方から来る
総括のスタッフさんが雪で遅れています。
東京からの参加者は地震でキャンセルです。
大阪からの方は大雪で断念したそうです。
なかなか人間は自然には勝てません。
ちょっと気分が沈みます。

結局、近場の人の参加で、
盲導犬と使用者が二名、車椅子さんが二名、
それとシルバーさんとスタッフさん、
合計十数名のツアーです。
先ずは鳥取砂丘へ向かいます。
雪雪 雪で、まるでスキーツアーです。
バスは、此れから障害者や老人ツアーを
積極的に受け入れていこうと、
二名の研修生も同乗させています。

鳥取砂丘は雪に埋もれてゲレンデです。
駱駝に乗って散策や、砂の風紋やラッキョ畑に
触れる体験も出来ません。
砂丘博物館で館長さんから鳥取砂丘の日本一である
由縁を聞かせて頂きます。
広さは日本一では無いそうです。えっ!そうなんだ。
でもユネスコからジオパークに指定されてます。
オアシスや生物、植物の話しは
知らない事ばかりで、面白かったです。
神秘的な砂丘のオアシスを見たいです。
一番砂の厚い所は六十メートルもあるそうです。
此処なら東北の津波も大丈夫でしょうか?

5ー旅は北へ・車掌さんの助けが・・

もう瀬戸内の野山には春の息吹満載ですが、
我が家から一直線に北に三時間向かった
山陰は只今、冬真っ盛り雪景色です。
車内も何となく冷えてます。
オシッコに行きたくなります。
スーパー因幡は特急列車だと思うけど、
普通車と座席指定の、たった二両編成です。
それで車掌さんも一人です。
トイレが何処か聞く事も出来ません。
それではと、見当を付けて連結部分に行ってみます。
手探りで行き当たったドアのノブを押してみると、
予想どおり其処はトイレです。ラッキー!
割と広くトレ君と入れます。
「えーと、自分の席は?」と、
用を足して、不安げに席に帰っていると、
何処からか車掌さん現れて、「此方ですよ」と、
我らの席まで案内してくれます。

間も無く鳥取駅到着です。
ドアの前には駅員さんと、
鳥取とレベルボランティアの女性スタッフさんが
待っていてくれてます。
鳥取駅は改装工事中とかで、複雑な感じです。
駅員さんには改札まで案内してもらって、
スタッフさんと待ち合わせ場所に行きます。

あっ!そうだ”トレ君のオシッコをさせなくっては。
スタッフさんに駅前広場に案内してもらいます。
駅の軒を出ると、冷たい雪が吹雪いています。
積もった雪は靴が埋もれそう!