月別アーカイブ: 2015年2月

二度目のヨーロッパ

 日本では ワイエス展が物凄く評判で
上野の森が賑わっている!と聞きます。
 日本はバブルの時代に突入
リビングを飾る 柔らかなソファのような
ナビ派のリトグラフが売れに売れているらしい

 二度目のヨーロッパでは
スペイン イタリア ベルギー オランダなどの
小さな街を旅しました。
 フレンツェで観た ミケランジェロの奴隷のシリーズ
大きな大理石の中から生まれて来ている様に感じる
未完成?の作品群に圧倒されました。
 ゴッホは好きではないのですが
アムステルダムのゴッホ美術館に在った
最後の作品と言われる 麦畑と鳥の絵は
死を意識させられる感動でした。
最後にこんな絵が描けるとは羨ましい限りです。

ヨーロッパ縦断

 失明するかも知れませんよ!と言われ
モスクワからウィーン パリ を経て
エジプトやギリシャまで18ヶ国ほどを
半年かけて巡って来ました。

 一番 感動したのは
ピラミッドより ギリシャの神殿の遺跡でした。
 沢山スケッチもしましたが
楽しかったのは ひそかに潜り込んだ
パリの美術学校のデッサン教室でのクロッキーです。
一度に三人のモデルさんが居て 組ポーズもあります。
 墨汁で描いていたのですが
ピカソやジャコメッティー それに 
デュビュッフェ ホートリエ
などアンホルメルの素描が気に成ってました。
世界はスーパーリアリズムの大画面が
ビエンナーレの主流でした。

1960年代は・・

 東京に出て 南画廊のウィンドウに飾られていた
ジャスパージョーンズの作品に鮮烈な衝撃を受けました。
 こんな絵が描きたい!と思ったのですが
心が 自由に羽ばたけるようになるには
それから20年もかかってしまいました。

 高校時代に 時めいた モジェリアニーやユトリロ
フランスはベルエボックの作家達は一掃され
NYの抽象表現主義に魅了されてしまったのです。

 M美大では 絵の具を垂らし 飛び散らした 画面をたのしんでいると
君は そんな風に物が見えるのかね!と・・
絵画はセザンヌ 彫刻はロダンに影響を受けた
教授たちに またフランスへ引き戻されるのでした。

心に残るアートの歴史

 高校時代 半世紀も前に成ります。
上野の静養美術館で
ベルナール ビュッフェ典が開かれました。
観には行けなかったけど
美術雑誌に特集が組まれ 大評判!

 印象派を はじめとする
柔らかな 優しい絵画の中に 
黒い針金で引っ掻いたような絵は
フォークソング全盛時代に ハードロックの
エレキサウンドが響き渡った感じでしょうか?
 ビュッフェは一気に時代の寵児になり
スタイルだけを残し 精神力を失っていきました。

 美大受験を控えていましたので
針金デッサンをする訳にも行かず
そんな嵐を やり過ごしました。

塀の中と同じ・・

 塀の中!って映画見た いや聞いたのだけど・・
何だか 自分の生活と同じだな・・

 集会 と称する映画祭で与えられる
お菓子とコーラー ものすごく喜んでいる。
参加できない同室の囚人たちは
いいな いいな と悔しがってる。
 目の悪い我らは 自由に買い物に行けない!
美味しい食べ物の話題がでると
いいな いいな と悔しがります。

 あんみつの小豆の甘さ楽しんだり
ちょっとおまけの付く お正月料理を
先輩の囚人が 新人の囚人に
事細かに 話して聞かせたり・・
 囚われて 初めて 年越しそば をたべたとか
我らは 目が悪いが お金が無いわけでもないけど
ヘルパーさんや 誰かについてもらわないと 
何も手に出来ない その点で囚人と同じです。

 独居房に入れられた囚人が
この空間 すきだなぁー と干渉されない狭い空間に
すっぽり馴染んだりする気持ちも分ります。

来ました 来ました 来ましたよ!

 先週末 ちょっとムズムズしてたけど
うーんと踏ん張ってまして
日曜日は雨模様で 一休みでした・・
 今日の生暖かい南風
たっぷりと花粉やPM2.5など連れて来るんでしょ!
 今 洗濯を取り入れたんですけど
其れからがいけません
たらーっ と ゆるい鼻水が流れて止まりません!
 これから二か月間悩まされつづけるのですか??

 トレ君も調子悪いです。
昨日はゲロゲロ 今日はピー
先の金曜日 暖かな日差しだったので
暫く庭で日光浴させてたんです。
何か拾い食いしました?
 散歩に出る前 踏ん張らせたのに出さなかったくせに
散歩の途中でピーです。
 疲労に 拾えない軟さ
手に着いちゃうし 匂いが鼻に残って散々
 老老介護の多難の始まりですか??

トーチに火がうつり・・

 雨が降ったり止んだり
空にはヘリが幾台も旋回して
チベット問題も有り 聖火リレーのコースは
異様なほどの騒然とした空気に包まれます。

 スタートは星野監督 10番目に欽ちゃん
水泳の北島こうすけさん 卓球の愛ちゃんが
聖火を受け継ぎながら進んできます。
 我らのトーチに聖火がうつされスタートです。
雨が止み 日の光が差します。
どーっと沿道が湧く中 トレ君と走りだします。
警護の警察官の頑丈な靴に トレ君の足が踏まれないだろうか?
このすさまじい騒音にトレ君はたじろがないだろうか?
トレ君 頑張れと ハーネスを握る手に願いを込めます。
トレ君は黙々と走って行きます。
この機会を与えてくれた トレ君と
トレ君を育てて 僕の所に送ってくれた
盲導犬関係の皆さんに感謝の念が湧き起こります。
 失明する事を心配しながら逝った父さん 母さん
こうして 世界的イベントに
盲導犬のトレ君と元気に走って居る姿
天国から見てくれていますか?
色々な思いが心に過ります。

 一瞬の間に トーチの聖火を次のランナーに渡し
トレ君と僕の聖火リレーは終わります。
いつの間にか再び雨がふり始め
 聖火はマラソンの有森ゆうこさんに受け継がれ
最終ランナーの土佐れいこさんが
激しく成った雨の中 ゴールする様子が
テレビ中継されています。

 牛に引かれて善光寺成らぬ
盲導犬に引かれて我らは善光寺を詣でて
信濃路を後にしました。

聖火リレーの信濃じに・・

栄光?・4 聖火リレーの信濃 路に
 ヨーロッパ アメリカと駆け抜けた聖火が
4月24日 日本を走ります。
23日 トレ君と姉に付き添われ聖火の行く
長野に向かって出発
 
 高原の信濃路は まだ春浅い感じに
桜 桃 梨などの花が咲き残り
淡い新緑が芽生えたばかりの 清らかな空気を感じます。

 夜は ランナーの皆さんやスポンサーさんと
豪華な会食です。口卑しい僕は
全て平らげてしまいます。
わー 正気にかえると なんて事でしょう 
必死で鍛えた? 腹筋が? 
元の木阿弥 ポッコリお腹に戻って居ます。

 24日 昨日の晴天とは打って変わって
今朝は 怪しげな空模様
 バスやタクシーで走る拠点に向かいます。
 沿道に パピー ウォーカーさんや
盲導犬ボランティアの方がワンちゃんと
応援に来てくれてます。
トレ君が目ざとく見つけ 声援に答えます。
 友達も駆け付けてくれています。
どんどん 人が集まり始め
一気に緊張が高まります。

?の3 聖火が点り・・

?の3 聖火が点り
ギリシャで点された聖火が
ヨーロッパ各地を遡り
リレーされて行く 各国のニュースが
テレビ中継され始めます。
嫌が上にも オリンピック いゃーの
盛り上がりが!

 トーチランナーの皆さんは
引き締まった体のアスリートです。
 わっ 思わず 自分のポッコリした腹に
ちょっとばかし恥じらいが

 では と トレ君とジョギングなど と
安全な道を探して走ってみます。
 普段の運動不足がたたり
寝床の中で足をつったりするではないですか・・
これは大変 少し気を入れて走りこまねば!
 盲導犬と走ることなどないので
トレ君 頑張れ! わっしょいわっしょい

 そんな様子をNHKテレビや民放から
取材を受け ニュースに流れます。

トレ君の栄光?・眩しいほどのフラッシュが・・

 年が明け オリンピックイャーです。
トレ君と記者会見の為 東京に出発です。
トレ君が来て 広告モデルのロケから
丁度 一年後に 二度目 再びの東京です。

 スポンサーさんが東京駅まで迎えてくれ
即 帝国ホテルへ わー さすが!
廊下も豪華 広々として 江戸城の松の廊下です。
 直ぐリハーサルが始まります。
トレ君と僕が 先頭で記者会見場に入ります。
それで 何度も手順の確認です。

 80キロマラソンに挑戦したばかりの
コメディアン界の大物 欽ちゃんと
 オールジャパン監督の星野仙一さんも
揃ったところで 準備の整った会見場に入ります。
 会見場に足を踏み入れた途端 パシャパシャと
物凄いシャッター音が会場に響き
眩しいほどにフラッシュが点滅
後ろから 欽ちゃんが 段差だよ!と 
指示を出してくれてます。

 全テレビ局のカメラも ずらりと並び
広い会場 一杯の記者さんで いつもテレビで見る
スターさんの結婚発表の様でも有ります。

 僕から順にインタビューが始まり
トレ君も良い顔で 皆さんにアピールです。
インタビューが欽ちゃんに移ります。
じゃ 俺はもういいね!と くるっと向きを変えて
トレ君は 後ろ向きで寝ています。
えー まるで大物スターの余裕だね!