月別アーカイブ: 2011年10月

ショッピングは欲求不満 オシッコは欲求満タン

   30-ミラノの悲劇

 五時を回ったミラノの街はラッシュアワーです。
買い物に予定していたタックスフリー二到着出来ません。
あれー閉まってるよ!と、ガイドさんが言ってます。
直ぐ近くだったのに車が走れず六時を過ぎてしまったのです。
予約してても時間が来ると店仕舞いするのがヨーロッパです。
ガイドさんもう一店当たってくれますが、やっぱり閉店してます。
あー!皆さん落胆の溜息です。
 それではミラノ駅のキオスクでも行ってみますか?と、
添乗員さんが提案します。我らはせめて其れでも!と、思います。
 危ない 危ない!と、自主的産が叫びます。
以前着た時、其処でスリにあったとか。ミラノ駅はスリのメッカだと!
我らはぞろぞろ行くと鴨葱です。君子危うきに近寄らずです。
明日の飛行場のタックスフリーを期待しましょう!と、納得させられ
ツアー最終宿泊、ミラノ郊外のホテルへ向かいます。

 すっごいホテルだ!と、自主的さんが叫んでいます。
ツアーメンバーで視力の有るのは自主的さんだけ、
視覚的印象は自主的さんに任せるしか有りません。
もう、暗くなったので、僕はシルエットさえ見えません。
 ベネチアからお世話に成った専用バスの運転手さん此処でお別れです。
一週間有難う!雪山のドライブお疲れ様でした。
運転手さんはにこやかに、バイバイをして、愛する家族の元に飛んで帰ります。

 予定より遅れてホテル到着ですから、
添乗員さんはチェックインに大わらわです。
奈良さん トイレに行きたいよー!と、言ってます。
そう言えば、奈良さん ドウォモの辺りでトイレ行きたいと言ってました。
お店で行ける予定でしたが、お店には寄れず。道は混むし、
三時間もオシッコ我慢です。

ガレリアの雄牛の悲劇!

   29-赤いトレンチ

 イタリア、ミラノはファッションの街です。
ヨーロッパではバッとした色の服が似合うよ!と、
友達が言うので、真っ赤なトレンチコートを買いました。
先にベローナでも着ましたが、此のミラノでこそ着なければ!!
淡いピンク大理石に輝く大聖堂の前で記念撮影です。
どうでしょうか?コントラストが映えているでしょう!

 次はファッションのメッカ、ファッション雑誌で御馴染みの
ガレリアに入ります。
想像以上の巨大な宮殿の様なアーケードは
両側にブランドショップが犇いています。
もしお金が有って、目が見えていたら、如何なってたでしょう。
 ガレリアの真ん中は鉄とガラスの巨大なドームです。
其の真下に雄牛のレリーフが埋め込まれてます。
其の雄牛の大事な所に左足のカカトを乗せて、
時計回りの)反対に三回、願いを込めて回ると、
其の願いが適うと言われます。
何と人間は欲深く浅ましいのでしょう!
可愛いそうに、雄牛の大事な所は、すっかり皆さんの願いの為、
す深く摩滅し、抉れて、大きな穴に成ってます。
 其れでも僕も残酷に、其の穴にカカトを当てて三回回ります。
トレ君の病気が治りますよう。楽しい旅でありますよう。
また旅行ができますよう。と、お願いします。

 此れからショッピングに向かいます。
あっ!良い物がかえますように と、お願いを忘れてます。
あー神様 欲深い我を許したまえ・・・
後ろから来る自主的さんが、
いい年してよくそんな赤い服 着れるな!と、言ってます。
まあ、還暦だから良いか!と、言ってます。無視 無視
あれー機嫌の良かったベルニナ・エリスプレスのなかでは、
なかなか芸術家だね!と、ほめてくれたのですが・・・
赤いトレンチ どっちが本音でしょうか?

 

28

 28-どうもドウォモ

 コモ湖って高原地帯に在るのかと思っていましたが
平野な所、四国の大きな池の感じに在るのです。
運転手さんの家も過ぎ ミラノに近づきます。
やっぱり!運転手さんは再婚で先妻さんには
三十もすぎた息子さんが二人居るそうです!
別に僕は羨ましがってる訳では・・・有りませんよ!

 ミラノ近郊は日本の都市の様に工場やマンションが
雑然と立ち並んでいます。
僕はミラノは四十年前に一度来ていて二度目・・・です。
以前は鉄道で入ったので、今とは全然違う印象です。
先ず、ダビンチさんの最後の晩餐を見て、
古城と修道院の間から、庭園を抜け、
恐竜の様なドウォモ大聖堂に驚嘆し。其の後少し
今では珍しくなくなったエルメスやヘラガモの高級感に
羨望の眼差しを向けつつブランド街を後にし。
駅近く、ずーっと見たかったマリノ・マリーニ美術館に飛び込んで
閉館まで満喫して、ローマへと列車に乗ったのです。
其の時はそんな駆け足のミラノでしたが、ゆったりとした街に思えたのです。

 四十年ぶりのミラノは目まぐるしく近代的に変貌を遂げる、
三十年ぐらい前、バブルの頃の東京にも似た印象です。
先ずオペラの本場 スカラ座です。
質実剛健な建物ですが、内部は絢爛豪華だそうです。
玄関に屋根付きの馬車寄席が、世界で始めての建造とか?
 次はドウォモです。初めて見た時はあれほど嫌味に見えたけど、
今回は夕日の日差しノナカで見るせいか優しい雰囲気に見えます。
しかし世界遺産の建物は全て洗ってしまうので。
時代を重ねた重さや、想いも消えてしまったような!
どうもいけません。

イタリア男

 27-下品なティラミスー

 自主的さんの一眼レフは バシィ、バシィ、バシィって
連写が出来ます。良い写真が撮れたでしょうね!
家に一枚、ループの石橋の写真を飾っていると、言ってます。
尾の前はベルニナ線をワゴン車で追い駆けながらの
撮り鉄ちゃん達の撮影ツアーだったそうです。
赤い列車が渡る石橋も素敵だね!

 ベルニナ特急の旅は終わりイタリアの街 ティラノに到着です。
外国の駅は改札も無く、いつの間にか外に・・
先回りしていた専用バスでレストランに向かいます。
ティラノは小さな、ガチャガチャとした街です。
爽やかな風景のスイスからきたので尚、雑然と見えます。
レストラン辺りのオープンカフェは歩道にはみ出し、
五月蝿く何かを食べてます。
 我らのレストランは奥まった二階です。
昼のメインは子牛の脛肉の煮込みです。
外国の肉は牛だか豚だか判りにくい!本当に牛ですか?
デザートはティラミスです。
大きなパフェカップの様なのにあふれるほどに入ってます。
日本のティラミスの上品な高級感はどこに行ったのやら??
ウェイターさんは何かにつけて言葉をかけて来ます。
こんにちは、さよならの日本語からイタリア語に英語も混ぜこぜで、
とりあえず声を掛けねばいけない人なつっこい
陽気さはイタリアの名物かな!

 バスはドンドン南に下っていきます。
有名人の別荘や絹織物で有名なコモ湖湖畔を走ります。
運転手さんの家の近くを通過だそうです。
愛する妻と三歳のこどもが待っていると言ってます。
えっ!お孫さんじゃ無くって子供ですか?
運転手さん、かなりじぃじぃに見えますが・・・
それから暫く運転手さんの人生の遍歴をお聞きするのです。
とにかく一週間ぶりに今夜は我が家に帰ります。
今夜何食べたい?と、新妻さんと電話で打ち合わせしてたとか?
このーイタリア男め!

ローマン建築

 26-イタリアはエッチ
 
 ベルニナ・エクスプレスの車内放送はドイツ語とイタリア語です。
スイスに入って暫くドイツ語ばかりだったので、
久しぶりのイタリア語は色っぽく聞こえます。
何だか女性に耳元で囁かれているような気分です。

 氷河期の様な白い凍てついた岩山がだんだん遠のいて、
雪の山も野も薄らいで、山並みが穏やかになり、
線路脇に糸杉や家並みが目立ち始めイタリアらしい風景に・・
自主的さんがそわそわし始めます。
リュックから一眼レフの大きなデジカメを取り出し
何かを狙おうとしています。
 あっ1ベルニナ鉄道のハイライト、
三百六十度回転するブルージオのループの石橋に差し掛かるのです。
 何度かテレビでみました。美しいローマ時代の水道橋のような
三階になったアーチの上を列車が走ります。
見えたー!と、自主的さんが興奮してカメラを構えます。
僕も見えないけど狙いを定めてバッシッ、
駄目だー!、橋の前に手前の家の洗濯物が被さっている!と、
自主的さんが叫んでいます。えーっ誰だ洗濯物をほしたのは!
ゴトゴトゴトと列車の車輪の響きが変わってきます。
石橋に差し掛かったのです。
右だ!と、言ってますが、見えない。
僕の目で追っ掛ける野は無理です。
すみません!一枚でも撮って下さい!と、添乗員さんに撮影を任せます。
列車はループ鏡を回転して行きます。
左だ!ひだりだよ!と、自主的さんの指示で左の窓に・・・
あー!、線路脇の木の繁みが被さって見えません。
次は右!と言われても僕の視野と視力は着いて行けません。
がっくり、諦めかけた時です。
山際からループの石橋が、平地へと鉄道を下ろそうとする寸前、
僕の目にも鮮やかに石橋の全貌が見えます。
三層に積み重ねたアーチがローマの砦のように
ぐるりと回って、アルプスを背にし、日差しに輝いています。
テレビでみるより、ずーっとロマンティックな幻想です。

 列車はブドウ畑やオリーブ園を抜け、
未だ夏の名残のイタリアに着きます。

アルプスを西へ ベルニナ特急は行く・・

 25-遅い特急

 ベルニナ・エクスプレスは静にサンモリッツのホームを離れます。
窓が天井まで在る!と、自主的さんが教えてくれます。
窓ガラスに手を当てぐんーっと上まで伸ばせてみます。
車体の曲線にそって窓ガラスも天井まで折り曲がって在ります。
うーん そうだ!その意味が暫く走ると直ぐ分かります。
列車は高くそびえる山塊の谷合いを走ります。
列車に迫り来る様な断崖を見るには
そんな窓が必要なんです。

 鉄道フアンの自主的さんは大はしゃぎ、
こどもに返えちゃうな!と、起ったり座ったり・・
此のS字カーブで列車がうねる様に走るところを、
こうゆう角度で狙うだろ!良い写真が撮れるんだ!と、
口角泡を飛ばす勢いで語ります。
 ベルニナ線はアルプスの山裾に沿うように
くねくねと線路が在ります。
特急ですが、世界有数の遅さで有名です。
 
 特急列車ですから車内販売が在ります。
カートを引いてオジサンがやってきます。
スイスフランを使える最後よ!と、添乗員さんが、
あ!女性陣の買い物欲に火が点きます。
小銭まで、足りないと出し合って使ってしまってます。
オジサンのワゴンが空になりそう!
 ワゴンにはカモシカ?の剥製の頭がくっついてます。
其れをバックにオジサンと撮影タイムに成ってます。
オジサン、にっこり機嫌よくポーズです。
僕も!と、立ち上がるとオジサン嫌な顔です。
我らのボックスは誰も何も買わなかったのです。

 岩肌の荒々しい谷合いを列車が行きます。
あ!此処で写真を撮った!と、自主的さんが、
以前 鉄道フアンの撮影ツアーに参加したそうです。
向こうの岩場から列車を狙ったのだ!と、
本当に自主的さんは楽しそう!

スイスの水は甘い!

24−エビアンよりトレ日アン

 朝 ベランダに出てみますと雪は溶けてます。
さあ!二泊したサンモリッツを出発です。
 朝食に添乗員さんがお迎えに来てくれます。
前の部屋の奈良さんも誘います。
でも、いつも奈良さんには少し待たされます。
後で聞いた話しですが・・・
奈良さんは七時朝食と聞いたら、七時に合わせて
準備してるのだそうです。でも添乗員さんは、
七時にレストラン集合と言う事で、五分か十分前には
部屋に迎えに来ます。返って其れで焦って
遅れてしまうのだそうです?添乗員さんの言葉が足りませんか?
 スイスは水道の水も美味しいです。
ボトルの買った水より美味しいです。だからコーヒーも美味しい!
 朝食に美味しいコーヒーとパンと焼ジャガイモを頂きます。

 専用バスでトランクと我らをサンモリッツ駅まで送ってもらいます。
我らはベルニナエクスプレスの列車の旅を楽しみます。
バスとトランクは先回りしてイタリアで待っててもらいます。
 あ!やっぱり、バスの中に僕の帽子は在ります。
見つけたぞ、もらちゃおうか!と、自主的サンが言ってます。

 サンモリッツ駅です。
昨日ちょっこと散策した駅向こうの湖面が鏡のように光っています。
昨日は夕方の斜めの日差しでキラキラ輝いてました。
スイスの湖は塞き止めて出来たのではなく、
自然の大きな水溜りってかんじで、ふわぁっと其処に在ります。
其の時、僕はとても喉が乾いていたので、水辺の雪を掬って食べます。
ざらざらとして氷の小さな粒のようで美味しかったー!

 真っ赤な 動く世界遺産、ベルニナ・エクスプレスに乗り込み
我らはアルプス横断 列車の旅に出発です。

 

輝く雪原

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  23-スイスと言えば時計

 サンモリッツのホテルに帰る赤い列車は
日差しに輝く雪原の中を行きます。
日差しは どーんと聳える山や雪を被った木々に
陰影を作って絵本の世界が其処に在ります。
あっ!教会が! 素敵だ!と、添乗員さんが言います。
ベストショットよ!と、教えられます。
目の悪い 迷カメラマンの僕は素早く捕らえられません。

 サンモリッツ駅からは市内バスに乗って帰ります。
運転手さんはジーパンにセーターのラフな恰好だと言ってます。
拘らないのでしょう。
 バスは街中を行きます。
スイスと言えば時計、高級時計店、そしてブティックの
並ぶ通りを抜けていきます。
 残念ね!とガイドさん、日曜日でお休みです。
未だ夕食には時間が有るので立ち寄れたのですが・・
またまた買い物欲に火が点いて
そサンモリッツの街がどれほど潤ったか知れません。
 ホテル近くのバス停に着きます。
歩いてホテルの敷地に、こういうのも初めての感じ、
ホテルの全貌を先ず見て入ります。
長野辺りに有るスキー場のロッジホテルの様ですね。
連泊のホテルはゆったりと過ごせます。

 夕食は鳥肉のピカタです。
あれー今日休みだった運転手さんが居ます。
僕と同じテーブルです。
あ!僕は昨日、車の中に帽子を忘れてます。
其の事を離したら、
昨夜 聞いていたら朝持ってきてやったのに!と、言います。
昨夜は気が着かなかったのです。
ガイドさんは 此の人はいっぱい持ってるから大丈夫よ!と、言ってます。
そう、帽子もコートも二つづつもってます!

氷河が溶けていく

22-とてもエコなスイス

 列車で一駅か二駅戻って
モルテラッチ氷河駅に着きます。
昔々は此の駅まで氷河はあったのですが、
段々解けて、氷河は後退し、何キロも先に在ります。
我々は氷河が削り取った谷を山へ進みます。
少し進むと道が雪解けで、ぐちゃぐちゃとぬかるんで居ます。
うーん 限界です。我らの装備は軽いトレッキングまでです。
そして天空の売店で買ったお土産も下げてます。
向こうに氷河が見えると言う所で退却です。
後退した運河に標識が在って、
温暖化に伴い氷河の溶解が加速している様が目の当たりに出来ます。

 谷のせせらぎは氷河や昨夜の雪解け水が、勢い良く流れています。
真冬には此の辺りまで雪がつもるのよ!と、
道際に立てられた標識の上の方を指してガイドさんが教えてくれます。
積雪で道が分からなくなってはいけないので道を印す長い棒が在ります。
 木々の枝葉に積もった雪がぽちぽちと、午後の日差しに溶けて、
今は冬に向かう風景と言うより、
小川のせせらぎもさらさらと、春を感じさせます。
川の近く八メートル以内には近づいてはいけないとか?
スイスは自然をとても大切にしています。

 モルテラッチ氷河駅に戻って列車を待ちます。
南に向けて並べられたベンチは温かです。
ベンチの座席や背もたれに柔らかな黒いゴムが巻き付けて有り、
其の黒いゴムが日光を吸収してぽかぽかしてます。
自然エネルギーを使ったグッドアイデアです。

空気が薄い!

 21-天空のショッピング

 展望台のレストランで昼食です。
アルプスの山々を眺めながらの食事では無く、
レストランは普通の設えで、窓も小さく残念!
メインはスイスソーセージ、大して美味しく無いのです。

 展望台にはお土産店も付いてます。
わーっと飛び込んだ我らは俄然活気付き、
チョコレート売り切れ!と、言ってます。
箱にディアヴォレッツア展望台からのパノラマ写真の
絵葉書が付いているのです。
僕もほしいーよ!って言っていると、
倉庫から五箱ほどが出てきます。はーい!買占めです。
そうそう、こんな事も有ろうかと、
僕は空のリュックを背負って来ています。
白杖を持って、誰かに手引きを受けて、
お土産いっぱいのレジ袋等持って歩けません!
天空のショッピングは何処までも続きそう。

 あまりお土産に興味の無い自主的さんにお願いして
トイレに行きます。階段を下りて、上がってトイレは在ります。
十段ほどの階段なのに、息がぜいぜい!。
空気が薄いんだー!そうですね。富士山の頂上に近い高さです。

 再びロープウェーに乗って下って行きます。
山裾にはあっちにもこっちにも湖があるようです・・
白い雪と氷の風景の中で僕の目には見えません。
 天候はすっかり回復、午後の日差しが射してます。
それでは折角ですから氷河のトレッキングにいきましょう!