２９日は昭和の日と成ります。
ちょっと前までは緑の日でしたね。

ジョイ君とママさんがお迎えに来てくれます。
ジョイ君は我が家に遊びに来たと思っているのか、
さっさと部屋に入って、トレイス君の玩具を出して
早速、夢中で遊んでいます。
反対にトレイス君はお出掛け気分満開で、
外に飛び出して「行こう！行こう！」と、焦っています。
今日は隣りの隣りの市の福祉フェスティバルに行きます。

雨なんかも心配でしたが。
朝から爽やかな日差しがあります。
風はちょっと冷たいです。
高速を走ると、隣りの隣りの市も直ぐ着きます。
会場にはテントが張り巡らされて賑わっています。
早目に着いたと思っても駐車場も満杯です。
が、ラッキー！その時一台の車が出て行って、
福祉会館入り口前に止める事が出来たのです。

此の福祉会館の外見は素晴らしいです。
石鎚からの湧き水を満々と湛えて流れる川に沿って
自然に湾曲して、柱が森のように立ち並んでいます。
川に張り出すように大きなウッドデッキが在ります。
今日はそこがオープンカフェに成ってます。
「喉渇いたね！」と、ひとまずコーヒータイムです。
入り口を入った処から、我らは注目の的です。
「綺麗だ！」「可愛いと」と、声が飛びます。
「盲導犬は触ってはいけないよ」って、声も聞こえます。
ジョイ君とトレ君はそんな声の中を悠然と入っていきます。
パピーのニコちゃんは愛想を振り撒いてます。

デッキに座って、コーヒーとケーキを頂きます。
バザーなのでとても安いです。そして美味しいです。
デッキの手摺りに繋がれた
ジョイ君とニコちゃんに人だかりです。
テーブルの下に居たトレ君も「混ざりたいよー」って、
皆さんに遊んで欲しとうずうずです。
ハーネスを外して、手摺りに繋いで上げます。
どんどん人が集まって来て、
「盲導犬てテレビで見るけど、本物は初めて！」と、
感激されます。「さすが賢そう！」とも言われます。
パピパパさんはパピーの事、引退犬の事、
あれこれ説明です。
勝手に「盲導犬ふれあいコーナー」が出来上がってます。
僕らは建物のお陰で風も当たらない日溜りで、
そんな様子を楽しみながら、
「募金箱持ってくれば良かったね！」と、囁きあいます。

天気が良くって、暖かく成ったので、
庭の草引きなどします。
何個か鉢植えが割れてます。
それでも小さな芽吹きが見えます。
急いで新しい鉢を探して植え替えします。
たっぷり水を上げて仕上げです。やれやれ！

部屋に入っていっぷくです。
机の上に放り出してた携帯電話を
何気に手に取って見ます。
「わーっ！大変！」　開いた携帯電話が
びしょびしょです。
画面も明るく成りません。
「けっ！」　水がハイって壊れてます。
携帯電話の入れていたぽけっとあたりも
水でびっしょり濡れてます。
あー、遣ってしまいました。

一昨年だったかな。
庭仕事をする度にメダカの池に浮かべたり、
睡蓮鉢に咲かせたりで三度も壊してしまいます。
そしてとうとう新しく買い換えて、未だ一年って処です。

そうだ、乾燥すれば何とかなるだろうか？
急いで、あれこれ乾燥です。暫くして、
ちょっと電源ボタンを押してみます。
パッと、明りが点きかけて直ぐ消えます。

明日はお出掛けです。
携帯電話が無いと何かと困ります。
取り合えず、其の事をPCメールで
明日会う人に知らせます。
ドコモショップに問い合わせの電話をしますが、
「込み合ってますので後ほどお掛け直し下さい」と、
機械音で言われるばかりです。
落胆と焦りで大疲れ！如何仕様も無いね！
はーっ！大きな溜息です。

あーぁ！と、諦め切って寝ることにします。
でも、もう一度と電源ボタンを力任せに押します。
あ！ディスプレーが明るくなります。
そして今度は消えません。
トレイス君の顔の待ち受け画面に戻ります。
ほっ！自然治癒です。助かりました。

もう何年もパソコンを遣っているのに、
始めて三ヶ月目から進歩はストップです。
アイフェスタがある度にPC指導を受けてます　が・・・
沢山の受講者で一人の持ち時間が３０分、
聞きたい事を聞いては見るのです。
その時はなーるほど思うのですが、
帰って遣ってみると旨く行きません。
パソコンって、一台一台微妙に違っていて、
視覚障害者用、読み上げソフトや
メールソフトによって扱い方も違います。
本当は自分のパソコンで横に居て、
其の都度の問題に対処してもらうのが一番でしょう。
県のパソボラにお願いしたのですが、
いろいろ都合が合わず、来て貰えずに終わってます。

今回の講習は全盲の方が着いてくれます。
当事者同士のピアサポートに成ります。
メーリング仲間でもありますので、
僕のメールは読まれてます。
「ワン吉さんは何でも出来るでしょ」と、言われます。
そうかも知れません。
初歩コースで教わる事は出来るかもしれません。
しかしです。
僕がピアサポートをしなければいけないとすると、
何処を如何指導していけば良いか分りません。
何と無く覚えたパソコンです。
全てがあやふやです。

「まずデリットキーを押してください」と、言われます。
えっ！デリットキーって？何？何処？
そんな言葉、聴いた事が在る様な、無い様な？
今まで教えて貰った時は、
右から二番目のとか、真ん中辺りの長いキーとか、
そんな感じに言われて覚えたのです。
「キーの名前から覚えないかん」と、言われます。
あー、イチから始まりです。
デリットキー、スペースキー、タブキー、
大体分ったけど、その意味は？？？

岡山からの帰りです。
５時台の列車に乗ります。
ほどほどの混み方で、窓際が全部埋まってます。
案内されて通路側にトレイス君と座ります。
通路に居るしか無いトレイス君は、
困惑顔でキョロキョロ、落ち着かない様子。
見かねた、乗り合わせた女性の方が、
空いてる席は無いかと探してくれます。
でも何処も有りません。
其れを見ていた方が、自分が移動して
席を譲ってくれます。「ありがとう」

折りしも列車は瀬戸大橋を渡り、四国に入ります。
席は海側だったので暮れていく瀬戸内海が見渡せます。
白っぽい空に、海はシルク色に柔かく波打ってます。
其処にレモン色の太陽が沈もうとしています。
多度津が過ぎて、海岸寺辺りに成ると、
線路が海すれすれに走ります。
本当に足元まで波が来ていて海の上を行くようです。
薄い影絵に成った小島が浮かび、
一番のお気入りビュースポットです。

のんびりとその車窓を眺めながら
穏やかな風景に感謝、座って帰れる事に感謝です。
トレイス君も安心で足元で横たわり、
今日の疲れを癒しています。
島々の影も色濃くなって我が町到着です。

９時代の特急で岡山に行きます。
JR窓口で座席指定券を買います。
「うーん、一杯だな」と、駅員さんが
パソコン画面を見ながらうなってます。
昨日は天気の良い日曜日、列車は混んでるようです。
駅員さんが「アンパンマン列車でも良いですか？」と、
聞きます。予讃線には
アンパンマン列車が一往復しています。
９時代がアンパンマン列車だと、
指定席も普通車も全部アンパンマン列車でしょ？？
変な事言う駅員さんだなと、思ったが。
取り合えず此れに乗らなければいけないので、
「はい、はい」と、答えます。
「日曜だから子供が一杯かも知れんが」と、
良いながら、指定券を渡されます。

ホームに滑り込んできた列車の車体には
思ったとおり、どの車両にもアンパンマンの
キャラクターが楽しそうに書かれています。
はて！さて！、駅員さんに誘導されて乗り込みます。
予想に反して、其の車両はガラガラです。
子供も大人も、誰も乗ってません。

「わっ！」　目が慣れてきてびっくりです。
僕の頭上でバイキンマンが笑っています。
あー、やっと納得です。分りました。
此の車両だけ、車内にもアンパンマンキャラクターが
子供さんが喜ぶように　描かれているのです。うん！うん！
僕はずーっと思っていたのです。
アンパンマン列車と言っても乗ってしまうと、
唯の普通の車内です。
面白くも、楽しくも無いなと思っていたのです。
極一部だけど、アンパンマンの描かれた
車両が在るのは良い事です。
でも宣伝不足では、駅員さんの予想に反して、
ぜんぜん子供さんの喚声は聞えません。
今時の家族は千円乗り放題の高速で出掛けてますか？？
「負けるなアンパンマン！千円高速に負けるな！」

今朝は久しぶりに朝日を見ます。
雨上がりだったので、
朝の散歩コースの鎮守の森に
透明な光が満ち、神々しいです。

此の森には樹齢何百年と言う楠が
３本在ります。
毎朝のトレイス君との散歩の時、
お宮さんにお参りした後は、大きく三度深呼吸して
大樹の生命力を貰います。
今朝の様に新鮮な麻の光に満ちた
大樹はかなりのエネルギーに溢れているでしょう。
トレイス君と僕の一日のパワーを貰います。

桜が終わると、次はバラの季節です。
普通のバラに先駆けて木香バラが咲きます。
可愛い綺麗な花ですが、棘は有りません。
もしかして木香バラはバラでは無い！

イチキュパで買った、１５センチほどの
細い茎が一本伸びてただけの苗でしたが、
三年ほどで見事に根付き、
家の軒を這って伸びていきます。
そして、切っても切っても毎年、
こぼれるように咲き乱れます。

今日は雨で、露が掛り花房も重そうでしたが、
トレイス君と記念撮影をしました。

夏の間はどんどん茎を伸ばし、
カーテンの無い我が家に、
自然の日除けを作ってくれます。

前庭でトレイス君と居るとです。
通りかかったオジサンと言うかオジイサンが
「犬は鶏みたいに卵も産まんし、
　豚や牛みたいに食べれんし、
　飼うても手間掛るだけやな」と、言うのです。

それにはトレイス君もびっくり
庭の春の匂いをクンクンしてたのに
「なんじゃー！こりぁー！」と、
どんぐり眼で、其のオジイさんを見上げてます。

「可愛いですよ」と、僕が言っても、
「そりゃ、気持ちの安らぎに成るかも知れんが、
　卵も産まんし、食べれんし」と、繰り返えします。
僕がムッとして返事をしないと、
「前に此の上の精米所にも大きな犬、居ったな」
「どうじゃろか、あの犬とどっちが大きかろか？」と、
トレイス君の体を嘗め回すように見ながら言います。
トレイス君、食べられるんじゃなかろうか？と、
おどおど、尻尾巻いて小さく成ります。

「精米所の犬は吼えて煩かったが、
　此処のは大人しいな」と、ちょこっとおべんちゃらです。
精米所に犬が居たのは五十年ぐらい前の事です。
あの犬はシェパードでした。
当時は米泥棒が入ったりして、
精米所と農協には大きなシェパードを
用心の為に飼ってたのです。
オジイさん妖しいから吼えられたんでしょう！

日曜日、高速バスでお出掛けです。
松山インターで下り、大きな幹線道路に
ぶち当たった所で、トレイス君異常反応です。
真剣に前を見詰め、
身を乗り出さんばかりにして
バスの前方に何かを探しています。
松山インター停留場です。
トレイス君は「降りよう」「早く、早く」と、言って聞きません。
「トレイス君は未だでしょう」と、言っても駄目です。
あっ！トレイス君は、もしかして、
此処がパピパパさんやパピママさんの住む
高知インターと間違えているのでは有りませんか？
「うーん、なーるほど」　景色が何だか似ています。
高速道路から下って、幹線道路にぶち当たると、
いつもパピパパさんが車で迎えに来てくれてる、
停留場にそっくりですね。
それで　「何処、何処に居るの」と、探しているのです。
此処は松山、大好きなパピママさんも居ません。
トレイス君の意地らしく、可愛い勘違いです。

チェックアウト後、チュウリップ祭に向かいます。
晴れて、とても暑いレインコートもジャケットも要りません。
入ると、「わー！きれい！」と、女性陣の喚声です。
チューリップが色とりどりに咲き乱れ、広々とした公園は
まるで北欧です。
手近かな花に触れさせて貰います。
僕の知ってる両手の掌を合わせた形では無く、
今時は、大きく豪華に花弁を広げています。
オランダの木靴をモチーフにした遊具も有って、
風車が在ればオランダですね。

今日はRP（網膜変成）の会の徳島支部さんが、
此の公園で大阪支部さんと交流会が予定されてます。
出来ればご挨拶だけでも携帯で連絡していみます。
あ、来てました。来てました。
我らと真反対の入り口から入場の様です。
では！と、其方方面にぶらぶら歩いて行きます。
でも広い公園、何処に居るか葉見つけられません。
我らが昼食に予定していたホテルのレストランの
テラス席は、今日は満員、席が取れません。
「帰ろうかな！」と、思ったが、
再度、徳島のＫじぃじぃさんに連絡です。
のんべいじぃじぃさんは
早くも酔っ払っていて話に成りません。
電話を大阪のＴさんのご主人に変わって貰います。
「なーんだ！ほんの二百メートル先に
居るではありませんか」、迎えに来て貰います。
わー何だ！何だ！交流会は
炭坑節で踊って盛りあがっています。
そこで何とか皆さんに、トレイス君と御挨拶です。
会えて良かった！皆さんにも喜んで貰えます。

出口に向かう時です。ちょっとしたアクシデントが！
大阪組みのクーちゃんが、バラスで足の肉球を切ります。
血が出ています。大丈夫でしょうか？
メンバーさんにお医者さんが居たので、
応急処置賀されます。痛々しい姿に成ってますが、
クーちゃんは元気で歩いています。

こんな事もありましたが、メニュー全て完了、
モルジブからテキサス、そしてオランダと
淡路島で味わった
楽しい小さくって大きな旅が終わります。