月別アーカイブ: 2011年8月

介助犬に成れるぞ!

 先週末から雨が続いて涼しくなります。
夜はひんやりした空気の中で
澄んだ虫の声が響いています。

 お盆も終わりました。
スーパーの休憩室にも、
時間を持て余す高齢者で賑わい始めます。
 トレ君と僕はいつもの様に
散歩の途中の休憩に立ち寄ります。
我らは顔なじみのオジサンオバサンに囲まれます。
懐かしい笑顔です。
久しぶり!と、トレ君は
しっぽ振り振りご挨拶です。

 其の時です。初めてらしいオジサンが
「こりゃ 良い犬だ!
  こんなに大人しけりゃ介助犬に成れるぞ!」と
感心したように言ってくれます。
 トレ君、そうなんだって!

 それでは今の俺は何?トレ君 首を傾げてます。

 

太りすぎ!かな?

 トレ君のご飯の用意を始めると
トレ君、態度も表情も一変です。
「はい はい ご飯ですね」と、
何処に居ても飛んで出てきて、
ちょっと僕の方を見てたりするのですが
「あっ!そうだ自分の部屋で待つんですね」と、
ちゃちゃちゃ と素早く自分のベットの所に行って
シットしてステイ、とても良い子です。
いつものまったり感では有りません。

 ご飯が終わるとデザートタイムです。
気分を変えてデザートはリビングで頂きます。
ご飯が終わったトレ君は、
デザート デザート ビスケットを頂きます!と、
いそいそとリビングにやってきます。
ご飯の時ほど浮き浮き感は有りません。
ちょっと面倒臭いかな!って
気分もかもしています。

 デザートのビスケットは
最初三個上げてたのですが、
トレ君 どんどん体重が増えてるので、
二個から一個に減らします。
それでも体重は減りません。
 フードも三百四十グラムから三百十グラムに減らします。
それでも体重は減りません。
 散歩も一万歩を基準に歩きます。
それでも体重は減りません。
 トレ君は空気で太るんですか?

 僕は少し太めの方が
頼もしくって良いな!と思うのですが。
美人訓練士のAさんが、
「もうちょっと締まるとタイプだよ!」と、
会うといつも言われます。
それではちょっと締めてみましょうか!と、
トレ君 溜息混じりに決意です。

お留守番犬ー山海の珍味が・・・

 トレ君は、 お留守番を返上して、お出掛けのときは
しっぽふりふり上機嫌です。
会議や葬儀に同行と分かると、
あからさまにがっかりの表情をします。
 会食の時は、ちょっとうきうきしています。
もしかして山海の珍味がころがってくるのでは!と、
わくわく気分で待ってる風情です。
 子供と同じで車でお出掛けも大好きです。
車に乗せてくれる友人は大歓迎です。

 トレ君は此方の動向も読みますが、
トレ君の心情も読みやすいです。
僕が美味しい物を食べている時
別に欲しくないよ!と 興味なさそうに
トレ君はポーカーフェイスを決め込んで
いるつもりらしいが、
目が泳いでいたり、シッポが大きく揺れてたり、
いっつも隠し切れてません。
今日のお出掛けは会食付きを知ってたのかな?
未練を残して跡に引きません。

 法事の後の会食はなかなかのご馳走です。
我が家に残して来たトレ君
水も飲まずに、不貞寝でしょう。
気に成るので、早目に送ってもらって帰ります。

 あれからずーっと玄関に居たのでしょうか?
僕の帰宅を察して出てきたのでしょうか?
玄関に仁王立ちで待ってます。
何かお土産は?と、僕の手の平に鼻を突っ込んで来ます。
どんなご馳走を食べたの?と、、
クンクン口の中まで検査です。

 トレ君、そんな事より、
トイレ!トイレと、オシッコに外に連れ出します。
沢山のオシッコ放出です。
では トレ君、水でも飲みなさい!と、冷たい水を上げます。
トレ君 水の器を覗き込んで、
なーんだ!唯の水じゃん!と、不満げに
ぴちゃ ぴちゃと面倒臭そうに飲んで、
あーぁ!と、諦め顔で引っ込んで行きます。

 トレ君 お留守番 ご苦労様!
今度 良いところ行こう!

お留守番じゃ犬!

 昨日 トレ君はお留守番です。
法事だったし、和風の家には上がれませんし、
それでお留守番をお願いします。
 
 朝 黒服に着替えていると、
足元に纏わり着いて来ます。
僕の周りをうろうろします。
置いていくなよ!と睨みを利かせたり
体当たりしてアピールします。

 運動がてらの散歩やポストに行く時は
トレ君は知らん顔です。
暑いから行かない!って顔で
起きる様子も有りません!
 どこかでお出掛けにランクをつけてます。

 トレ君は置いてかれた時、
僕が出掛けた玄関で、動かないで
ドアのガラスの所から。
ずーっと外を見ているのだそうです。
迎えに帰って来てくれるのを待ってるのでしょうか?
置いてかれたのが其れほど恨めしいのでしょうか?

天国のおかあちゃん!

 お盆終わりましたね!
ワンちゃん達は自分のお母さんを覚えているのでしょうか?
この八月の初めにトレ君のお母さんが急死します。
僕はとても悲しかったです。
寝そべっているトレ君の横腹を撫でながら、
「トレ君 トレ君のお母さんが亡くなった」って
静に話して聞かせます。が・・
トレ君は分かったのか、分からないのか
薄目を開けながら聞いています。

 トレ君は生まれて五十日目にお母さんの
おっぱいから離され、訓練所に、
そしてパピーウォーカーさんのと所で一歳まですごします。
トレ君にっとっては其処のお母さんがお母さんで、
産んでくれたお母さんは忘れてしまうんでしょう。
それが動物の本能かも知れません。
 そんな事を考えながら、
無邪気なトレ君の顔を見ていると涙が零れ相になります。

 トレ君のお母さんには、
トレ君が我が家に来て二年目に写真展をした折、
わざわざ神戸から遠路来てくれます。
ちょっとぽっちゃりで優しい目の、
トレ君に似たお母さんです。
あ!トレ君がとてもお母さんに似ています。
 トレ君と二歳も年が離れていない、
さすがお母さん 色気むんむんです。

 トレ君のお母さんは今年の春で繁殖犬を引退です。
これからは家庭犬でのんびり過ごすんでしょう?
トレ君と一度遊びに行ってみようと思っていました。
だけど、もう会えません。
八歳の誕生日を前にした早い死です。
 お母さん似の優しいトレ君を産んでくれてありがとう!
トレ君を思う時。トレ君のお母さんも思い出すでしょう!
トレ君に授けてくれた素敵なDNAに感謝する時、
やっぱりお母さんを思うでしょう!
沢山の盲導犬を産んでくれてありがとう!
感謝の気持ちいっぱいに、ご冥福を祈ります。
天国からトレ君たち盲導犬を見守って下さい。

冷たい麻薬

午後は冷房無しでは過ごせない日が続きます。
暑すぎて何もする気が無くなります。
テレビを点けて、エアコンもいれます。

 すると、カチカチと爪音をさせて
何処かで転がっていたトレ君がやってきます。
そして冷房の風当たりの良い当たりでドッさっと
投げ出す様に横に成ります。
 僕は冷房で体が冷えてくると、スイッチを切ります。
するとトレ君は、来た時の様にカチカチ音を立てて出て行きます。

 しかし 冷房は麻薬です。
一旦冷房を入れてしまうと、もう駄目です。
冷えたからと切ると、
10秒もしない間に体がカーッと熱くなります。
熱が出ている様に燃えてます。
切っても直ぐスイッチを入れてしまいます。

 我が家は天井が高く
割と涼しいと、言われて
ずーっと扇風機でやってましたが、
トレ君が来た時、
夏でも毛むくじゃらのトレ君の為、
エアコンをもう一台付けました。
最初は来客の時、寝る前の一時と
節約していましたが、
昨年ぐらいからどんどん時間が延びてます。
テレビで高齢者の熱中症が言われてます。
節電より命が大事、
そして大切なトレ君の為、
気持ちを砂糖で塗して甘やかせてます。

 トレ君 冷房入れましたよ!
はーい!嬉しそうにトレ君が遣って来ます。
冷房麻薬は切れません!

蝉のチュー ♪”

 庭のケヤキの木の下を通ると
朝に夕に木の上から蝉の攻撃です。
 此の前はいきなり僕の唇目掛けて突進、
チュされてしまいます。
チュの味は?ですが、
しがみつかれた六本のあしの
トゲトゲの初体験の感触が
拭っても 拭っても拭いきれず
痴漢された女の子の気持ちが分かる!
大げさですが、そんな感じです。

 それなのにです。
其の蝉の彼氏でしょうか?
僕にオシッコを掛けて逃げていきます。
とんだ濡れ衣です。
唇を奪われたのは僕の方です。
その蝉らの仲間でしょうか?
トレ君の頭にもオシッコを引っ掛けられます。
もうー!頭にきちゃいます。

雲が主演の空芝居!

 そろそろ台風のシーズンです。
台風の来る前の夕焼けは赤と言うより、
赤紫のくどい色合いに
空も家も庭も、我らの顔も、
見えるもの全部が其の色に染まり、
不気味で不穏な夜を向かえます。
そんなに心身の奥まで染まるような
夕焼けは此の頃はありません。

 台風が吹き荒れ、過ぎ去ると
真っ青な空に入道雲にかわり、空が
少し青のトーンが優しく成って、
刷毛で思い切り描いた様な
筋雲や、魚の鱗の様な鯖雲が
爽やかに空に描かれる様に成ります。
 一筋の飛行機雲が走ったりすると
とても嬉しかったです。
そんな秋らしい雲も観なく成ります。

 それにはぐれ雲と言うのか、千切れ雲と言うか
ぽかぽかと雲が浮かんでいて、其れが
ピスケットの動物や顔や自動車の形に見えます。
幼い頃は絵本を観るように、
空にストーリーを描いていましたが、
そんなメルヘンな雲も何処へ行ったやら・・・

ノルデの空‐羊雲

 此の頃 よく見る夢に 瀬戸内の夕焼けがあります。
其れは中学生頃の校舎から西の空を見た風景です。
校舎は町の西のはずれに在り、
田園風景が瀬戸内の海に向かって広がり、
沿岸には成長を始めた製紙工場の高い煙突から
モクモクと幾本もの煙が立ち上がっています。

 其の背景の瀬戸内の空が真っ赤に燃え
大きな太陽の落日が始まります。
激しい太陽の最後の輝きが、海を染め、
工場屋煙突のシルエットを際立たせ、
ドイツの画家 ノルデの絵の様に、
次々とドラマティクに雲がたなびき
色彩を変化させながら、日暮れていきます。

 もう二十数年前に成りますが、
羊雲が空いっぱいに広がり、
正に羊の群れが整列して家路に急ぐ光景です。
僕は列車に乗っていたのですが、何処まで行っても
其の光景は変わらず空に繰り広げられています。
瀬戸内の西の空に夕焼けが始まります。
すると羊達は、ピンクからオレンジ、
そして赤へと見事なグラデーションをつくりながら、
暗い空に吸い込まれるまで変化を続けます。

 本当の夕日を見たのはあれが最後かも知れない!
此の頃は薄ぼんやりとオレンジになるばかりで、
海も空も、大地も疎も尽くす様な夕焼けありません。
劇的なノルデの空は何処に行ったのですか?

雲の行方?

松山へ行って、帰りです。
来るとき時はあんなに晴れてたのに
未だ午後四時ですが西の山手の空が真っ暗です。
車の中で音は聞こえなかったが、激しく稲光がしている様です。
視力が弱く、僕にはもう其の閃光が走るのも
暗い空が、一瞬明るくなる様子も見えなく成ってます。

 高速道路に入ると、
突然 大粒の雨が落ち始めます。
フロントガラスや車体に、霰の様な
バラバラと音を立てて吹き付けます。
一瞬にして路面に溢れた雨が
危ない!
車をずるずるずるっと横滑りさせます。
此の頃流行のゲリラ豪雨です。
桜三里に差し掛かると益々激しくなって
当たりも日が暮れた様に真っ暗です。

 僕ら子供の頃の夕立はは
真っ青な空に、にょきにょきと湧き上がる
積乱雲、入道雲と共に遣っていた様におもうが、
此の頃、ソフトクリームが盛り上がっている様な
そんな雲は見た事が無い。
白い雲の積み重なりの間て、パチパチと放電するのも見無い。

 目が悪く成ったから見えないのかな?と、思い
友達に聞いてみますと。
やっぱり、この頃、入道雲はめっきり見ないとね!と、言ってます。
時代と共に雲の様子も変わったのですか?