月別アーカイブ: 2011年10月

氷河期は書くも有り何!

  20-旅のクライマックス
 
 氷河鉄道は行きます。
鉄道フアン、いわゆる鉄ちゃんの自主的さんは大はしゃぎ、
鉄道写真を撮るのは撮り鉄ちゃん、
取り合えず列車に乗りまくるのが乗り鉄ちゃん!と、皆さんに説明
では自主的さんは?自分は特にこだわらない!何でもそこそこと答えです。
じゃぁ くず鉄ちゃんだね!と、命名して上げます!

 スイスの山は平地からどーんと岩の塊のように聳えてます。
そんな塊がごろごろと在る感じです。
未だ雪は降り止まないので、氷河散策は見合わせです。
ディアヴォレッツァ駅に行き、
ロープウェーに乗って二千九百八十四メートルの
ディアヴォレッツァ展望台に登ります。
急勾配の山肌、岸壁に沿うようにロープウェーは登ります。
雪が止み薄日が差し始め、聳え立つ山々が迫る様に見えて来ます。
ロープウェーは僅かな時間で千メートルを駆け上り、展望台に到着です。

 あんがい寒くないね!三千メートル近い、
雪と氷の山の展望台にっ立った我らの第一声です。
四千メートル級の雪も取り付け無い岩肌を晴らした山々が
目前に聳え立っています。
其の山裾は また千メートルも
地の底に滑り落ちるように
窪みの様な湖面に吸い込まれるように雪崩落ちてます。
氷河期って正にこんな景色だったんでしょうか?
でも何故か吹き降ろす風も、吹き上げる風も無く穏やかです。
もやも薄れて頂きがくっきりと見え始め、
我らのはぱしぱしと撮影タイムです。

赤い電車で・・

 19-雪はなおも

 10月9日(土) 
サンモリッツの朝は雪です。
ベランダに出てみると手摺に二十センチくらい積もっています。
球を作ってコロコロと転がしてみると、
瀬戸内の雪と違ってさらさらとして丸まりません。

 今日は氷河探索のトレッキングです。
雪が降り止ま無いので暫くホテルで待機になります。
サンモリッツのホテルは二泊連泊なんです。、
トランクを出す必要も無いし、レストランで
大阪さん、奈良さんと少しのんびり雪見コーヒーを楽しみます。
此のホテルはパンもコーヒーもフランス風で美味しいです。
奈良さんはエスプレッソ瞬間摘出コーヒーが気に入って、
日本に帰ったらエスプレッソマシーンを買うとか・・

 少し雪が小降りに成って、取り合えず出かける事に、
今日はマイナスの世界、最大級の重ね着です。
ズボン下やカーディガン持ってる衣類を全部着込みます。

 今日は運転手さんがお休みで、専用バスは出ません。
ホテルの車、二台に分乗してサンモリッツ鉄道駅に行きます。
駅にはキオスクが在ります。目敏く見つけた我らは
列車の出発時刻までちょっと時間が有り、
ショッピングタイムと成ります。
駅の小店ですから、駄菓子屋のような、ガム、飴、チョコ
などなどです・・・皆さん両手にいっぱい買ってます。
大丈夫?今から氷河を歩くんだよ!

 時間が来てホームにでます。何か変!
ホームが低いです。Sさんが白杖で計ってます。
四十センチぐらいかな?此れなら落ちても大丈夫!
真っ赤な列車が入ってきます。
車掌さんは金髪女性だ!と、自主的さん。
黒の制服に金や赤のモールが付いている帽子でしょうか?
氷河鉄道、何だか物語の世界に出発する様な・・・

黄色い郵便バス

  18-すっかり冬

 スイスに入って郵便バスを良く目にします。
今日もこんな山の中で何度も出会いました。
途中、我らのバスの運転者さんが、
時折 対向車を止めて、峠の雪の状態なんか聞きました。
それはほとんど郵便バスさんにです。
スイスの郵便バスは、郵便配達とバスの役目もしています。
ワゴンタクシーほどの大きさですが、
淡い黄色のしゃれたデザインです。
ドアツードアで人も配達してくれるんですね。
交通機関の少ない高齢者の多い田舎には是非欲しいシステムです。
あ、そうだ!スイスで郵便馬車のシステムを開発した人の
話を読んだ事があります。
其れが今も息づいているんですね。

 今夜の泊まりはサンモリッツです。
あ!聞いた名前の都市です。そうだ!冬季オリンピックの開催地です。
バスを降りると雪が舞い散っています。
冬のスポーツのメッカです。
ホテルのロビーに入ると、コーラスの美しい音色が聞こえます。
ウエルカムソング?いやいや泊り客の方の練習のようです。
ヴェローナでもコーラスを聴きました。
何か大会でも有るのでしょうか?
 大きなホテルですが、少し古い感じです。
オリンピック開催の時に建てられたのかな?

 部屋は角に在り、大きな壁一面の窓、
浴室は部屋の一番奥、応接セットが在り、
其の横のドアからベランダに出れる事ができます。
 夕食後 ベランダに出てみますと、
未だ雪は降り続いていて、ベランダに置かれたデッキチェアーも
手摺もすっかり雪を被って居ます。
二日前までは夏の名残りの仲居居たのに
今はすっかり冬の中です。

 

スイスの美しく古い村

 17−秘境を訪ねて

だんだん記憶が薄れています。
食事の内容を書いた紙が行方不明だし、
ガイドさんの説明も録音していないので
記憶の糸を手繰り寄せる術も有りません・・・
今日の昼は何を食べたのでしょうか?
昨日も今日も雪の山、冬景色の中を
バスでぐるぐる回っていったので混乱しています。

 北イタリアのチロル地方のドロミテ街道の時は
チロル公のお城や砦がいたる所に在ります。
ガイドさんの説明を聞きながら、車窓を幾ら探しても
僕の目には入りません。
 葡萄畑、林檎畑や牧場に羊や牛の群れも見えません。
あー損だな!と、思うのですが。
今回参加の十名の内、四名は全盲です。
全盲の方は何を頼りに旅を楽しんでいるのでしょうか?

 途中 トイレタイムが有ります。
お洒落なトイレで、蛇口のセンサーが微妙な位置に有って
手のかざしようが悪いとなかなか水に出てもらえません。
カフェにお土産売り場が付いてます。
トイレが終わると皆、お土産売り場に、
危険を感じた添乗員さんが、時間が無いから!と、
見せてはもらえません。先に急ぎます・・

  エンガディンの谷から、秘境の地へ向かいます。
もう飽きるほどバスに乗った気がします。
大きな木々の繁みも無くなり、かなり高いと頃です。
外は全く寒そうで、霙も時折 窓を打ちます。
教会が見える!と、自主的さんが言います。

バ スが停まり、我らはスイスの美しい村、グアルダ散策です。
此の辺りはラテン語の流れを汲む古いロマンシュ語を今も話している秘境の村です。。

厚い壁、小さな窓、此の地方独特のスグラフィットという手法で描かれた
幾何学模様の装飾の有る建物が十数軒ぱらぱらと建ち並んでいます。
 灰色の村は粉雪に煙りながら寂しく在ります。

 小さい歩道には雪が降り積んでいて滑りそうです。
いつもはだれかの後ろの後から着いて行く感じですが、
此処では自主的さんから単独手引きを受けます。
お陰で すってんコロりんと行かず助かります。

 壁を削って描かれた絵を触らせてもらいます。
かなり深く彫り込まれた絵はざらざらとして素朴な温もりが有ります。
こんな厳しい深い山の中で生抜く人を守ってきたのでしょう?
村の中ほどに、民家と同じ手法で造られた教会が在ります。
四角に丸い屋根を乗せた鐘楼は良い感じです。
今回の旅で一番心に残る風景です。
残念に思うのは、自主的さんにお願いして、
ぐるーっと周りを回ってもらえば良かったと、
それが唯一の心残りです。

 あっ!郵便バスが。とガイドさんが言います。

 

わーっ!布団だ

16-モミの木のお土産
 
ボルツァーノのホテルは今までで
一番すっきりしておしゃれです。
ベットは布団です。
ホテルと言えば大体毛布です。シーツで包んで、
マットに敷き込んでいるので、引っ張って寝にくいです。
あー!今夜は布団だからゆったり寝れるでしょう!
と、思いきや、ふあふあの羽根布団ですから、
ずるずるベットからずれ落ちて仕舞うんです。

10月8日(土) 旅行四日目です。曇りのち雪

 朝食のサラミやハムがやたらおいしかったです。
燻製にしてるのやガーリック味が有って、
買って帰りたい!と、声があがります。
ドングリみたいなプチトマトも甘くって丁度良い酸味です。
 朝から満腹に成って出発です。

 イタリアからオーストリア、そしてスイスの国境を超え
秘湯の里シュクオールを訪ねます。
川が流れ、クアハウスやプチホテルが在って、
何だかちょっとモダンな日本の温泉地の風情です。
此の辺りには沢山の温泉保養地があるそうです。
 モミの木などの木彫りのお店に入ります。
わー木の良い匂いです。
木の物はさわれるから良いですね!
誰かが 熊の置物は無いのか?なんて言ってます。
熊の木彫りは北海道ですよ。
此の辺りの風俗の彫刻が在ります。
一人がいいな!って言うと、何人かが飛びつきます。
木の食器も色々有ります。
またまた買い物欲に火が付いて、止まりません。
 僕は木を輪切りにして透かし彫りにした、
クリスマス飾りを見つけます。
雪の結晶やツリーの形で真ん中に絵が描かれています。
友達の顔を思い浮かべながら、お土産に何点か選びます。

 

湖畔のお土産店

 15-物差しのチョコレート

 ミズリーナ湖の湖畔に小さな小さなお土産店が在ります。
我ら十名が入ったらいっぱいです。
我ら視覚障害者は風景を見る時は
何処を如何見れば良いのか取り付く島が無くて、
呆然と佇んだりしてますが・・・
お土産店に入ると俄然元気で、
蟻が砂糖に集るように
端から触りまくって行きます。
添乗員さんやガイドさんは大忙し。
此れ何ですか?いくらですか?と、
あっちからもこっちからも声が掛かります。
女性陣は店を全部買い占めるきでしょうか?

 楽しい買い物が終わって、
バスがぐるぐると雪の道を回って、
今夜の泊まりの
ドロミテ街道西の拠点のチロルの古都
ボルツアーノに向かいます。

 僕の座席の通路を挟んで、大阪のIさんです。
座席に置いたリュックから長いチョコレートの箱
先のトイレ休憩の時に買った
四本がにょきっと出ています。
ありがとう!一本づつわけよう!と、
僕の後ろの席の自主的さんが言います。
遭難しても皆のチョコレートを出し合えば、
当分生きて行けるぞ!とも言ってます。
大阪さんは 駄目駄目と、相手にしてくれません。
 其のチョコレートですが、ホテルに帰って皆の話題です。
幅十五センチに長さが五十センチも有って、
箱に物差しの様にメモリが着いているのです。
Sさんも買いたかった!と、物欲しそうです。
こんな面白いチョコレートがまた見つかるでしょうか?

霧に覆われる山塊

 14−バラの山の伝説

最近の携帯電話は便利です。
電波時計で外国に着いたとたん、
現地の時報に変わります。
そして電話やメールも日本に届きます。
 それで以前から思っていたのですが、
携帯で撮った写真を自分のパソコンに送って、
ブログを書く時、要所要所で添えるのです。
其れなのに、何かと旅程が慌しく、
ポイントのベストショットを取れません。
此の前のブログにやっと雪景色ひとつ乗せる事が出来ます。

午後はまたまたくねくねと山を登って、
木々の繁みも無くなる高さ二千メートル近くの
ドロミテ渓谷に在るミズリーナ湖に到着です。
湖の左右に大きな山塊が聳えてます。
 
 バラ色に輝く山には 
こびとの王様と美しいお姫様が住んでおりました。
其のお姫さまを見初めた対岸の山の王子様が、
有る日 お姫様を攫って仕舞います。
嘆き悲しんだこびとの王様は 
此のバラ色の輝く山が目立ちすぎるからだ!と、
怒って此の山を霧で包み隠して仕舞います。
バラ色の山は霧に覆われ見る事が出来なくなります が
王様は時間の指定を忘れたので、
朝夕には霧の中からバラ色に輝く山が望めるのだそうです。

 ミズリーナ湖は満々と水を湛えて、
無機質な岩塊の間で、そんな伝説を秘めながら
悠久の時を刻んでいます。

一足早くクリスマス

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  13−乱立するクリスマスツリー
 幻の如く消えた神秘的な湖をあとにバスは走ります。
モミの木の林に雪は降り積もって、
クリスマスツリーのオンパレードです。
濃い緑に新雪がコントラストもくっきりと、
僕の目にも見ることが出来ます。
こんな美しい雪景色は生まれて初めてです。
ゲレンデが在ります。雪まみれに成ってトレ君と遊んでみたいです。
自主的さんはスキーは下駄代わりだった!と、言ってます。
南国 産まれの僕には経験の無い事です。

 此の辺りに、此のモミの木を使った有名な楽器の産地が有るそうです。
こんな清清しい空気の中で育った材木は、
きっと澄んだ音色を響かせるでしょう。
 三角屋根に大きなベランダにゼラニュームの花を飾った、
チロルらしい家が並ぶ小さな町で昼食です。
寒いのでビールは止めて紅茶を貰います。水より安いです。
暖かいスープが出て冷えた体が温まります。
パンが少しづつ美味しく成ります。フランスに近づいたのでしょうか?
奈良から参加のKさんと僕はオシッコが近いです。
トイレが在る所では争って行かねばなりません。
手引きの添乗員さんゆっくりご飯食べれません!

 次に立ち寄ったトイレ休憩所は、売店が在ります。
わー!ジェラートが有る!と、僕は寒いのも忘れて買ってしまいます。
寒いけどバスの暖房で喉は渇いています。あーおいしーい!
舐めながら駐車場に出ると、皆呆れ顔で見ています。
うー、寒い!
みぞれが時折吹きつけて体の芯まで凍りそう。

妖精の住む湖

12-神秘の湖の妖精伝説

10月7日 三日目のです。ヴェローナを出発
ドロミティアルプスのドロミテ街道を行きます。
街道はイタリアはチロル地方からオーストリアはウィーンに
続く街道?ガイドさんの説明がうる覚えです。
 今日は天気が怪しい?暗い!
あっ!雨つぶがバスの窓にかかっています。
此の雲は山が雪だ!と、運転手さんは心配顔。
日本の山々と変わりの無い風景から
山肌が露な高い山の迫る谷間をバスが行きます。
急勾配のいろは坂を登り始めると、
山から下りて来る車は雪を被っています。
おーぃ!峠は通れるか?と、運転手さんは
下りて来る車を止めて聞きます。
今のところ大丈夫だ!と、答えです。

 運転手さんは一週間前、今日と同じコースを行った時
峠で大雪になり、雪の中チェーンを着けたり、
雪掻きが出来るまで六時間も立ち往生!
それで、すっかり風邪を引いてしまい、
其の二の舞にならぬかと不安らしいです。
 迫る山や木々にも雪が被るように成ります。
四国の我が家辺りでは見られない雪の風景に成ります。

 不思議と雪が晴れ神秘のカレッツァ湖に到着です。
駐車場からはトンネルの通路で湖に続いています。
トンネルを抜けると広いテラスが設えられ、
目前に三千メートル級の山々に囲まれた
深い青の湖がひっそりと在ります。
僕の目には、あーそうなんだ!と、想像を逞しくするしか在りません・・

 カレッツァ湖には美しい水の妖精が住んでいます。
其の妖精に恋した悪魔の青年が、もっと顔を見たいと、
湖の天空に七色の虹を架けます。
妖精は美しい虹を見ようと湖面に顔をだしたところ
悪魔の青年は要請を一気に捕まえようと、
幸いにも妖精は一種の差で悪魔の手を逃れ、湖底に身を翻します。
残念ガって怒った悪魔は天空の虹を粉々に砕いてしまいます。
砕かれた虹の破片はぱらぱらと湖水に散っていきます。
其れから湖はな、マリンブルー、コバルトブルー、エメラルドグリーン、
などなどと七色に輝くのです。
 我らが写真撮影も終わった頃、さーっと霧が流れて、
湖を視界から消してしまいます。

ヴェローナは田舎風

 11‐ 地震が有ったんだ!
 ローマのコロッセオに次ぐ規模の円形闘技場
アレーナに一旦地下に潜って入ります。
 二千年も前の建造物はかなり地下に沈んでいます。
石造りの観客席にでると、随分高く、かなり広いです。
すり鉢状の底から、突然コーラスの声が響いて来ます。
講演では無く、多分 観光グループが此の響きの良い
アレーナで是非 歌ってみようとした様です。
でもかなり本格的なドイツ語の歌です。
我らも凄く得した気分で盛大な拍手を贈ります。
 今年の夏にはオペラ 蝶々婦人が上演されたとか・・
 イタリア南部にも時々大地震があり、
アレーナもかなりの被害に合っているとか!

 午後のヴェローナはかなり暑い!二十五℃は超えている!
今年は異常気象だと、ミケランジェロさんが言ってます。
我らは冬の国に向かうので皆さん概して厚着です。
暑い!暑いと言いつつバスに戻ります。
僕はミケランジェロさんの手引きで歩きます。
街の様子や建物の説明をしてくれます。
 ヴェローナは車も多く繁華なところです。
ミケランジェロさんは大阪の大学へ留学していたとかで
ちょっと関西訛りの日本語です。

 今夜はヴェローナ郊外の小さなホテルです。
夕食は牛の何とか?でしたが、
あれは豚肉だ!と、皆が言います。
筋の無い柔らかい肉で、小さく切られていて食べやすかった!
ホテルも小さいがバスルームもバスタブも小さいです。
シャワーの水を外に散らさない様、シャワーカーテンを
バスタブに張り付けて使います。
成功、成功!洪水に成らずに済みます。

 ホテルはブドウ畑や農園に囲まれてあります。
朝は新鮮な野菜サラダが頂けます。
び、びっくり、其のサラダのキュウリは一本を四つ切にして
ウィンナーの様にごろごろとお皿に乗っています。
トマトだって皮の堅い田舎風で有ります。