月別アーカイブ: 2013年12月

バスルームの惨事

17・27日 リスボンの夜は深けて・・
 ホテルの前やロビーにはクリスマスイルミネーションが
チカチカ輝いてます。
ちょっと日本的な食事に満足で 結ったりの夜です。
じぃじぃは部屋ではネットは繋がらないといわれているのに
ピコピコ スイッチを入れたり切ったり所在なさげです。
ロビーは繋がるらしいが 行くほどの気力無しです。

 今夜は僕が先にバスルームを・・
セビリアでも もいできたオレンジをいれましょう。
気持ち良く ほんわか 出て直ぐ ベットへ うとうと
暫くまどろんで目が醒めます。
あれっ!じぃじぃの気配が有りません。
バスルームもひっそりとしています。
時刻を確かめると夜中過ぎ・・
じぃじぃが お風呂に入って 小一時間は経ってような・・
浴槽で水死 心臓麻痺 良くある事です。
僕は遺骨を抱いて帰る破目に成るのでしょうか?

 じぃじぃ 生きてる?とバスルームに声を掛けます。
わっ!寝てた!と 声が聞こえます。
何だ生きてる! ほっ 大丈夫のようです。

 あっ そうだ 一昨日の夜です。
回想文とか書いたので 書き忘れてましたが・・
其の夜も 僕が先に風呂に入って 早々にうとうと
あれっ バスルームの様子が変です。
チャプチャプ 海辺の様な音がしています。
バスタブから水が溢れて バスルームが洪水だ!と
シャワーカーテンが外れてたか?バスタブの湯が溢れたのか?
今 思うと其の時も眠ってしまっていたのでは?
じぃじぃが 困惑しきりの声です。
僕は眠気が勝って ウトウト 話が耳をかすめ
睡魔に襲われ 再び眠りに落ちます。
じぃじぃは 其れからバスタオルに洪水の水を含ませては
バスタブに絞込み 大騒動だった!と 朝もぐったり
一時間も掛った!と 言ってます。

少女はマリア 母はトド

16・27日夜 バスの旅のつれづれに・・
 何処だったか忘れたけど
バスの休憩所に はいシワ伸ばし!と言って
入ると直ぐ 変な日本語を操りながら
ハンドクリームを手に塗ってくれる 奇策な
オジサン店員の居る雑貨屋さんが在ります。
オリーブ石鹸 一個で三ユーロ 二個で五ユーロ
と、買わないと損だよ!ってささやきます。
皆さん つい 手が出てます。
三個で五ユーロ と言ってみたが・・無視されます。

 最後の目的地に向けてバスは行きます。
時間つぶしは現地ガイドさんの話です。
スペイン人の奥さんは九十キロも有る!と言ってます。
そうです。スペイン女性は太るのです。
また四十数年前の単独旅行の時ですが・・
道端でスケッチをしていると たくさん子供が集まってきます。
しめしめと 可愛い女の子もスケッチです。すると
あっちの家からも こっちの家からも
うちの娘を描いてくれ!と 可憐な少女を攣れたオバサンが出てくるのです。
どの子も ラファエルのマリア様の様に清純な乙女です。
でも その厚かましい 太ったオバサンは この子らのママ あーぁ
何を食べて 如何すればこんなに成ってしまうのです?
現地ガイドさんはママさんを見ないで結婚して 今の結果を嘆いているのです。
文句を言ったら 十キロやせたそうですが・・十キロじゃね!

 バスは ひた走り 
知らないうちに 国境を超えポルトガルです。
またまた遅くなって リスボン到着
ホテルの部屋に入る間も無く 夕食です。
今夜のメニューは ポルトガル風 海鮮おじやです。
日本の寄せ鍋の後の おじやに近い味
疲れた胃や体に ほんわかと沁みます。

ローマの遺跡と・・

15・27日午後 ローマに乗っかった街
 セビリアの街を馬車で巡れます。
大きな馬さんがオレンジの木の下で客を待ってます。
顔をなでさせてもらうと トレ君と同じ様に
柔らかな毛並みで とても優しい感じ・・
思わずトレ君を思い出します。

 昼食はローストチキンです。パサパサで不味い!
胸肉だからだ!と じぃじぃさんが言います。
 次の目的地 メリダへ向かうバスの中で
此方にはおもてなしの心が無いからだ!と
現地ガイドさんが言うのです。
美味しく食べさそう!と工夫が無いとも言います。
タダ焼いて出すだけでしょうか?
不満なら塩なり胡椒なりを振りかけて食べろう!って
考えだから と非難の口調です。

 ローマ時代の壁や柱や橋が街のいたる所に在る
正にローマの遺跡が混在 遺跡に上に
乗っかったりの街 メリダに到着です。
 遺跡の部分を其のまま使ったり 建設資材にしたり
遺跡を食いつぶしながら成長している感じもするが・・
下に遺跡が在る為 高床にして 遺跡を見せてる所もあります。
でも自分の家に二千年も前のローマの柱が在ったりすると素敵だね!
川に架かる 弐キロにも渡るアーチを連ねた橋は圧巻です。
 

触れる街の模型

14・セビリアの街 一巡り
 スマフォは返事をします。
有難う!と言うと・・
どう致しまして お役に立てて幸いです!とか
喜んで頂けて嬉しいです!とか バージョンを変えて
可愛い声で答えてくれるのです。
もしかして 此れは秋葉のメイドカフェの発想かな?
じぃじぃは そこがお気に入りでしょうか?

27日 セビリア市内観光 今日も晴天 其れほど寒くない
大聖堂に入ります。世界三大カテドラルの一つだと・・
うーん 広い!塔に登るのも階段ではなくスロープの余裕です。
中庭の周りにイスラム風の建物が在ります。
グラナダのアルハンブラ宮殿と同じ設計者だと言われてます。
セビリアも 文明が交差です。
細い路地の ユダヤ人街へ
此処で逃れる様にくらしていたのでしょうか?

 街をぐるりと巡ると 小さな広場が在ります。
其の辺りの古い建築物の模型が置かれて
自由に触れます。
見えない僕らは其れで全体像を知る事が出来
とても有り難いです。
お土産屋さんに そんなミニチュアが売られてます。
其の広場で十二月に入るとクリスマス市が開かれ
キリストの物語りを立体的に構成できる
陶器の建物や人形が売られるそうです。後ちょっと・・

オレンジ湯にどっぷり

13・26日カルメンな夜はバスルームで・・
 フラメンコではオペラ カルメンをアレンジした
闘牛士ホセとの絡みのシーンもあり興奮です。
 メインの料理はステーキです。今日は昼も肉
腹もずっしりと満足 高揚した気分でホテルに帰ります。

 今夜のホテルはモダンで高級感のある 広々とした部屋です。
時間はかなり遅くなってます。
沢山 歩いたし足もお疲れです。
じぃじぃは柚子湯ならぬオレンジ湯に入ろう!と
昨日ポケットに入れてきたオレンジを持ってバスルームに・・

 外国の 最近は日本のホテルもですが
浅い浴槽に洗い場が在りません!
其れでも 我らは浅い浴槽に湯を張って
何とか湯の中に全身を浸かります。
其れでないと 体は温まらないし・・
疲れも取れた気がしません。
 オレンジは保温効果や疲労解消の効果が
有る屋無しや 知る由もありません!
しかし 良い匂い 爽やかさが鼻も通り快適です。

 此のホテルはインターネットも無料で使えます。
じぃじぃは持参のスマフォでピコピコしています。
では 円相場など検索
日本円が安くなってます。ユーロが140円に迫ってます。
僕のユーロは百二円です。百万円ほど買ってたら
今回のツアーはタダで来れたのですが・・?

イスラムに乗っかってるキリストの・・

12・26日午後 イスラムの古都 そしてフラメンコに
 午後は一路 イスラムの古都 コルドバへ。
荒々しかった山肌の景色が一変 緩やかな川の流れに
大きな水車など在る牧歌的な風景の中 車は停まります。
 少し坂道を登って 大きな門を潜ります。
其処はイスラムの巨大な寺院・・しかし立ち並ぶ列柱は
ローマの遺跡の物の様で まちまちの色と形 それに
高々としたドーム天井を支える為 柱の上に もう一本
柱を乗せて在ります。
其の後 キリスト教会に改修 増築され
ローマ イスラム キリスト教と歴史を重ね
奇妙で不思議な空間です。とても興味が湧きます。

 中庭に出て 花の小道!と言われる古い地区の通りに
真っ白に塗られた壁に 色々と花がハンギングで彩られてます。
フランドル地方の特徴的な情景でしょうか・・

 またまたバスは南に走ってフランドルの州都セビリアへ
もう 真っ暗に成ってます。ホテルに寄る間も無く
フラメンコ劇場に入ります。
もっと小さな ジプシーの住む 穴倉の様な所を想像してましたが
かなり広く 円卓が並び 食事をしながらの鑑賞です。
スーープが終わった頃 しわがれ声の男性の歌が 力強いギターなどの
伴奏と共に始まります。
つぎつぎと華やかな衣装のフラメンコダンサーが登場
どんどん激しさを増し エスカレートしていきます。

アルハンブラ宮殿を触る・・

11・26日 アルハンブラ宮殿を触る!
 話を今回の旅行に戻して アルハンブラ宮殿の見学
グラナダの丘の上に宝石箱を並べたような瀟洒な宮殿が在ります。
壁という壁を 一筆書きの☆のアラベスク文様で埋め尽くされています。
宮殿の各部屋によって文様が違うのか 其々に レプリカが置かれて在り
自由に触る事が出来ます。
身長ほどの所までは陶板 
其の上は漆喰でレリーフ状に造られた塗り壁です。
建物の形はシンプルな四角形ですが 必要に埋め尽くされた
其の細工には圧倒されます。
今日の様な晴天だと陰影が重なり 陶板が輝いて
見えると綺麗でしょうね!

 庭に出ると噴水の有る池が在り
其の池を見下す様にハーレムの窓が在ります。
今も美しいお姫様が覗いていそうで チラ見です。
池は二十五メートルプールほどの長方形です。
丘の上に豊かな水を湛えた池と噴き上げる水
八キロ先の山から水は引かれて来ているとか
当事 水を制する事は 王様としての富や威厳を誇る
最大の見せ場だったのでしょう。

 僕には四十数年前に見たイメージとは違う気がします。
もっと素朴でひっそりとした佇まいだったような??
だいぶ修復や復元がされたのでしょうか?
それに見えないので全体像が把握できてませんし
古いアルバムの写真と比べる術もありませんです・・

グラナダのホテルは庭の小屋だった!

10・26日 グラナダのホテルは庭の小屋・・
 四十数年前 マラガからグラナダの駅に着いた時は
日の長いスペインも日暮れていて駅前は暗くなってます。
何処にも在る駅前ホテルの看板は目に入りません!
すでに夜盲の有った僕は自力でホテルを探しに街には行けません。
途方に暮れていると・・怪しげなオジサンに 
ホテル探してるのか!と 声を掛けられます。
果して大丈夫だろうか?とは思ったのですが・・
同じ列車から降りた 他の旅の人も 其の客引きの
オジサンの誘いに乗るようなので 僕も着いて行きます。
 連れて行かれたホテルは 見えないけど雰囲気的にぼろぼろの感じ・・
他の旅の人達はホテルの部屋に案内されてるようですが
な、何て事でしょう!僕の部屋は中庭の小屋です。
其れに 其の小屋には すでに誰かが寝ています。
客引きのオジサンは 何と先客を追い出して 其のベットに寝ろ!と言うのです。
えっ!逃げ出したい気持ちですが
此処へ来る道筋にもホテルらしい所もなかったと・・
諦め 服を着たままベットに横に成ります。
南京虫が居ないか? 蚤が居るのでは? 荷物を盗られないか?
色々不安でしたが・・風邪薬と疲れで 直ぐに眠ってしまいます。
 無事 朝を向かえ 地図を頼りにホテルを探します。

 其の時のスペイン旅行は二週間ほどでしたが
危ない目にも合わず
 スペインの小父さん達は 日本の田舎の素朴な小父さんの感じで
とても気さく バール 一杯飲み屋へ行っても 日本人は珍しいのか?
僕はまだまだ子供に見えたのか?なんだかんだと世話を焼いてくれ
ご馳走もしてもらえ ドキドキながら楽しくも有りました。

 

40数年前 マラガで・・

9・26日 四十年前の想い出のスペイン
 スペインは流石広く バスの移動時間も長い!
そんな間に現地ガイドさんが其々の街の話をしてくれます。
バルセロナからバレンシアと南下する地中海沿いの道路は
夏にはフランスからモロッコに帰郷する出稼ぎの車で大混雑だと・・

 そうでした。四十数年前の僕のスペイン旅行は夏です。
折角ですからモロッコまで行って見よう!と
パリでコレラの予防注射も打って 港 マラガまで来たのです
其のマラガの暑さ 乾燥した熱風がサウナの様に吹いていて
列車のなかでも耐え切れずくたくたです。
前の席に座っていたサラリーマンらしい黒人の方も 
暑い厚い!と時折 オーデコロンを顔に点けてます。
真っ黒なアフリカの人でも暑いのだ!とちょっと不思議に思って見ていると
僕の顔にもオーデコロンを点けてくれます。
揮発性のコロンは一瞬だけ爽やかな涼を感じますが
乾ききった空気は鼻や喉の粘膜の水分を奪ってヒリヒリ
其の黒人さんは親切にタクシーで港まで送ってくれたのですが
丁度 里帰りの時期 フェリー乗り場は車で溢れていて
キップは三日も待たなければいけないとかで 皆さん野宿の構えです。
ガイドさんの話は此れです。
街でホテルを探したが 何処も満室 やっと廊下で泊めてもらえます。
次の日 隣町 もう一つ隣町とホテルを探しますが・何処も一杯
熱射病か 風邪引きか発熱 ダウン寸前
たった十四キロ先のアフリカ大陸を目前にして
ジブラルタル海峡に阻まれ
カサブランカへの夢はあえなく断念 すごすごと引き上げます。
其れから向かったのはグラナダです。

グラナダのとんだ朝

8・26日 グラナダのとんだ朝
 寝たかと思ったら 携帯が鳴ります。
日本の友人からです。
海外旅行だと言っておいたのに迷惑な話です。
日本から八時間遅れの此方は 未だ未だ夜中です。
今日に限って続いて三人も掛けてきます。
外国だから電話代が高いよ!と脅して切らせます。
すっかり目が醒めてとんだ早起きです。

 ホテルの朝食は何処もバイキングです。
此のホテルにはシャンパンも有りますよ!と
添乗員さんの悪魔?の囁き
朝からシャンパン!セレブな気分ではありませんか・・
あっ 駄目だ 寝不足 疲れ 昨日の今日
僕はぐらっときます。

 では今日はアンダルシアの華 アルハンブラ宮殿の観光です。
シェルネバダ山脈の山懐に抱かれたグラナダは寒い!
完全防備で出発
冷え冷えとしてますが 今日も晴天です。

 僕が単独旅行で来たのは六十数年前の夏でした・・