奇妙な会話でした!

前庭でトレイス君と居るとです。
通りかかったオジサンと言うかオジイサンが
「犬は鶏みたいに卵も産まんし、
 豚や牛みたいに食べれんし、
 飼うても手間掛るだけやな」と、言うのです。

それにはトレイス君もびっくり
庭の春の匂いをクンクンしてたのに
「なんじゃー!こりぁー!」と、
どんぐり眼で、其のオジイさんを見上げてます。

「可愛いですよ」と、僕が言っても、
「そりゃ、気持ちの安らぎに成るかも知れんが、
 卵も産まんし、食べれんし」と、繰り返えします。
僕がムッとして返事をしないと、
「前に此の上の精米所にも大きな犬、居ったな」
「どうじゃろか、あの犬とどっちが大きかろか?」と、
トレイス君の体を嘗め回すように見ながら言います。
トレイス君、食べられるんじゃなかろうか?と、
おどおど、尻尾巻いて小さく成ります。

「精米所の犬は吼えて煩かったが、
 此処のは大人しいな」と、ちょこっとおべんちゃらです。
精米所に犬が居たのは五十年ぐらい前の事です。
あの犬はシェパードでした。
当時は米泥棒が入ったりして、
精米所と農協には大きなシェパードを
用心の為に飼ってたのです。
オジイさん妖しいから吼えられたんでしょう!