三歳児

デザートを貰う時のトレ君の足音の軽快な事、
浮き浮き気分が響きます。
トレ君て普段は小父さん臭いです。
でも 其の時ばかりは幼児です。
三歳児がお菓子を貰いに飛んでくる感じです。

今日 僕はデパートに行きます。
朝から雨がしょぼしょぼ降っていたので、
トレ君にはお留守番をして貰います。
「トレくーん、留守番のお駄賃だよ!」と、
大好きな歯磨き棒を上げます。
「わー、嬉しいなー」と、
僕が着替えを始めた時は、
「何処行くの?連れてってよ!」と、
置いて行かれまいと、僕の周りをウロウロ
ずーっと様子を伺ってます。
其れなのに、歯磨き棒を見せたとたん、
お出掛けの事は吹っ飛んで、
「はい はい!僕は良い子でチュー」と、
自分の部屋に飛び込んで、
良い子ぶりっ子で待ってます。
「はいどうぞ」と、一本上げて、
トレ君、がじがじ歯磨きしてる間に、
僕はこっそり出掛けます。
ふーっ、まだまだ子供だね。