ライスカレー悲話

 ライスカレーを思いっ切り食べたい!と、
我らが視覚障害のメンバーのKさんが言ってます。
三年ほど前に母親を亡くし、
ご飯を作ってくれる人を失ったのです。
同じ敷地に兄さんの家族が住んでいて
其の兄さんも続いて亡くなったのです。
兄さん存命中は少しは義姉さんも面倒はみたのでしょうが・・
兄さんが亡くなると、気に入らなきゃ出て行け!って
全盲のKさんを追い出しかねない勢いで毒づくそうです。

 Kさんは母さんの作ってくれた
温かいご飯にたっぷり掛かったカレーを
シー ハー と掻き込んだ其の日が懐かしいのでしょう。
母さんは「たんとお食べ!」と、山盛りについでくれたでしょう。
何倍でもお変わり出来たでしょうね。
Kさんは70歳近いオジサンです。
昼と夜は弁当を取ってます。
冷めた弁当を食べながら、
幼い子供の様な そんな夢をみてるんですね。