またまた落選・・!

 日本縦断こころ旅が市国上陸
今週は最後の香川です。
下記を応募しましたが落選です。

  「叔父の心の刻まれた庭」

火野正平さま

 暑かった夏も終り 少しは涼しくなった頃でしょうか。
お元気で四国の旅を続けられている事と思います。

 さて、愛媛から香川に入り二つ目の市 観音寺を
少し山を登った辺りに
父の姉が嫁いだ大野原町田野野が在ります。
  
 田野野の入り口には石をアーチ型に積み上げた
ヨーロッパの古城の様な不思議なダム、豊年池が在ります。
 田野野は 其の池に注ぎ込む 一筋の小川に沿って開けた 
谷間のこじんまりとした村落です。
 其の村の中程に 紅葉の美しい小さなお寺が見えます。
僕は其処まで来ると何時も、御伽噺の村だな!と、思ってしまいます。
其れから 其の村の終り近くに叔母の嫁ぎ先 堀口家が在ります。
ご紹介したい風景は其の家の庭です。

 もう叔母は居ず、叔父も近年 百歳を目前に亡くなります。
其の家には 叔父が最後の時まで丹精を込めた庭が残っています。
 叔父の法要の時です。
開け放たれた座敷の縁側からは
鶯の鳴く声が聞こえ 五月の爽やかな風が吹き込んでいます。
 叔父の庭には
黄色や赤と色とりどりに皐月が今が盛りと咲き誇っています。
「此の見事な庭を見せたい為に 今頃にいったんだね」と、
誰かが言います。
 そして其の庭の真ん中に 大きく 心の一字が
刈り込まれて在ります。

 叔父は 親族の集まりが有る度、失明していく僕を示して、
「皆で見てやらないかんよ」と、声を掛けてくれます。
此の庭には そんな優しい叔父の心と想いが溢れている気がします。

 とてもプライベートな 心の風景で、
残念ながら花の季節でも有りませんが
是非 火野正平さんにも叔父の心を
見て頂きたく、お手紙を書いています。
 僕は文字を書く事が出来ませんので電子メールにて
失礼致しました。