二度あることは三度ある・・2

 突然の事で何が起こったか分りません!
ギャフンとコンクリートの地面に叩き付けられています。
全身の機能が止まっているようで動けません!
暫く 其の侭 横たわっていると
少し機能が回復して来て思考も戻ります。
一緒に歩いていた トレ君は何処に?
つぶれたような声ですが 声を出して呼んでみます。
反応無し 一緒には落ちていないようです。

 落ちた崖の壁を伝いながら立ち上がり
落ちた辺りを手で探ってみます。
あっ!トレ君の頭です。手がトレ君に当たります。
トレ君は落ちた僕を心配して下を覗いて居た様子です。
トレ君おいで!と言っても降りてきません!
直前に見た
落ちて行く僕の恐怖が目に残っているのでしょうか?

 だんだん体に痛みが出ます。
自分が何処に どんな所に落ちているか
どちらに歩いて行けば市役所の福祉会館に行けるのか?
下手に動かないで助けを呼んだ方が良いのでは!と
総会会場の会長さんに電話します。
でも 自分の位置は教えられません!
トレ君も吠えて知らせる事はしません!

 遠くに探しに出てくれた声が聞こえます。
此方からも 此処です!と言っても 届かないようです。