古い電子レンジは・・・

大変です。大きすぎます。
母が無くなって、自炊に成ります。
父とふたりの男所帯です。
30年ほど前の事なので、
近くにはスーパーマーケットも無かったです。
僕が仕事帰りに何か買ってきたり、
父が小さな八百屋で買ったり、
真似事のようなお惣菜の粗末な食事の日々です。

そんな時、田舎にも電気屋さんが出来ます。
メーカーのセールスマンさんと店主さんが、
電子レンジの販売に来ます。
テレビ、洗濯機、冷蔵庫と家庭に普及し、
次はエアコン屋電子レンジの売り込みです。
電子レンジさえ有れば、夢の食卓は目の前です。
ピザもケーキもグラタンもおしゃれな食事が待ってます。
魔法の電子の箱ですね。

父が僕の為を思ったのでしょう。
16万もしたのですが買ってくれます。
給料の2倍ぐらいしたかも知れません。
あーぁ!でも豪華な食卓には成りません。
冷たいご飯を温めたり、
買ってきた惣菜を温めたり、
唯、チンをするだけに終わります。

父が無くなり、自炊もしなくなって、
それから、片隅に仕舞われていた電子レンジ
この度、自炊をする事に成り、
引っ張り出します。
「わお!大きいです」 
久しぶりに見てびっくりです。
冷蔵庫の上に載ってようと思ったのに
だるま落としの様にぐらぐらです。!!