忘れられて行く様で・・

 「お母さん目を開けて!」と
娘は幾度も 声を掛けますが・・
隣のばぁちゃんは目を開けません。
 今日は具合が悪いのか・・?
深い眠りにはいっているのか・・?
手を握って!と言っても反応しません!

 35年前 母もくも膜下出血で倒れ
一度も眼を開くことなく亡くなりました。
最後の時に 目を開け観てくれるのでは・・の
願いもむなしく 此の世をさりました。
忘れられたような 見捨てられたような
空しい里悲しみが強く残りました。

 この春 大学へ巣立つ孫娘がいます。
出発の挨拶に来たときも
ばぁちゃんは目を掛けませんでした。
 来年 再来年と成人式を迎える孫がいます。
ばぁちゃん 晴れ姿を見てやろうよ!
ばぁちゃん頑張って目を開けなきゃ。