ばぁちゃんの手押し車車

 玄関の片隅に 隣のばあちゃんの手押し車が
カバーをかぶって置いて在ります。

 70才過ぎたごろがんを発症し手術
くるぶしも弱かったので
御ばーちゃんぐるまとよばれる手押し車を使うようになりました。
 今日 重い荷物を運ぶことにに成り
この車を借りようとカバーを外しました。
ハンドルに 小さなマスコットがぶら下げられてありました。
ばぁちゃんは 朝の御見出しとかスーパーの買い物に
この車椅子を頼り 友として押して行きます。

 自分も其の年にな売りました。
芽は悪くしてますが 未だ足腰は何とか大丈夫です。
盲導犬と元気に歩くことが出来てます。
 その年に ばぁちゃんは おばぁちゃん車に
すがって歩いて居たのかと思うと
何だか哀れを感じて 切なく成りました。
 そんな中でも 婦人会活動やサークル 
娘たちとの小旅行にと 一生懸命生きてました。
 病気さえしなければ 自転車にさっそうと乗って
いたでしょうが・・

 誰も居なくなった母屋は
無性に虚しい空間が広がって居る寂しさに
逝ってしまった人たちが
一瞬 懐かしく思い出され泪がこぼれました。