それでも いつの日か

 座席に盲導犬を残して
トイレなどに行くと・・
トレ君もピーちゃんもですが 盲導犬は
何処かへ消えた相棒を 行った先を見つめ
我らを探します。

 有る時 ボランティアさんの所に泊めてもらい
お風呂を借りた時です。
もうだいぶ夜も更けたので トレ君は眠くって
こっくりこっくりしながらも 僕の入った風呂場を
風呂から上がって来るまで 見つめ続けていたそうです。
周りには PWさんやともだちもいたのに
やっぱりワン吉さんが気に成るのね!と
皆さんに その様子が可愛いし いとしいし
感心されてました。
そして だんだん互いの絆もできてきたのでしょうか・・

 それから 一番心に残っているのは・・
トレ君が悪性腫瘍で手術し 退院して来たときの事です。
PWさんに送られてきたとき
待っている僕を見つけると一目散に飛んで来て
飛びつき あのね あのね!
オレ手術頑張ったよ 遺体の我慢したよ!
偉いでしょ と話すように 耳元で
一生懸命話しかけるような様子を見せたのです。
あまり感情をあらわにしないトレ君には珍しい行動
した。手術は怖いし 不安だし やっと
我が家に帰れて うれしかったんだろうね。
手術の時 ずーっと付いて居て上げればよかったんだろうね!
元気でかえってきてくれてありがとう と
抱いて 背中を撫でって上げます。