三日ほど前の 良く晴れた夜 大きな月がでていましたね。 ふっと気が着いたら 庭に 鉄砲百合の花がすーっと伸びて 今にも咲きそうです。
三年前 隣のばぁちゃんが亡くなって 四十九日の頃 やはり満月で 何時の間にか茎を伸ばし 鉄砲百合が咲いて居ました。 子供や孫達を見守るように 我が家の仏間に向いて居るような様子です。
鉄砲百合は 今はやりのカサブランカのゴージャスさも無く 普通の百合よりも素朴で 植えた覚えのない所から突然の様に 背の高さほどにもなって 花を咲かせます。 花が終わると タネの袋が出来 ポンと鉄砲の様な音をさせ タネを飛ばせるらしいのです。
丁度 お盆の頃でもあります。 父の無く成った都市には 僕の家の居間の前に 数年花を咲かせました。
父や ばぁちゃんの霊が 我らを見守る為に 帰って来てくれている様な ありがたく思えてしまいます。 丁度 月明かりも 柔らかに照らしこんでいる様です。 逝ってしまった家族を 偲ばれる夜です。