携帯電話が・・

携帯電話の電池が有りません。
何処にも電話出来ません。
無事の帰国を知らせる事が出来ません。
みどりの窓口まで送ってくれた添乗員さんに携帯借ります。
取り合えず隣のばぁちゃんにだけでも電話です。
ばぁちゃんも、僕らは帰っているはずなにに
携帯がつながらず、とても心配していました。「ご免」です。
「あっ!東京駅で友だちのSさんが待ってる」と、
電話有ったよと言われます。
そうです。大変です。折角、東京を通過するのだから、
仕事を抜け出していくから、せめてお昼ご飯を一緒に!と
言われていたのです。
連絡出来ません。携帯の電話番号はもちろん、
自宅のも友人も、全部、携帯電話に入ってるだけです。
「あー!」と、悲観にくれてる僕を残して、
最後の添乗員さんも「バスの時間ですから」と、
行ってしまいます。万事休すです。

それでは、東京駅に来てくれている
友人達をすっぽかすしか在りません。
事情を話して、みどりの窓口で電話を借ります。
受付の女性は嫌な顔をしましたが、
奥から出て来た男の事務員さんは快く貸してくれます。
「東京駅の友人から電話が有ったら、携帯が使えない事、
夕刻に着くから支援のタクシーの予約を」と、お願いします。

みどりの窓口で四国までの切符の購入です。
成田エッキスプレス、新幹線、瀬戸大橋線と
乗換えが二回あります。誘導介助もお願いします。
切符が出来上がるのを待っていると。
「ワンちゃん良い子でしたね!」と、優しい声です。
美人のお姉さんがほほえみながらトレイス君を見ています。
「同じ飛行機でしたか?」って、聞けば、
「乗務員です」と、答えが、あの水をくれたお姉さんです。
美人は良いですね!言葉にも余裕があります。
「ワンちゃんのおとなしいのに驚いたわ!」と、言ってます。
何だか悪夢から覚めたよう、トレイス君も嬉しそうです。