ヒトとイヌのさらなる共生!

有名訓練士のTさんが続けます。

・そしてとても大切なのは、
手を伸ば
したら必ずそこにいる存在だということです。犬はそれを黙ってやってくれます。

トレ君は散歩もお使いも、直ぐ行ってくれます。
「いま 良い夢を見てるのに!」などと、
ちょっと嫌な顔をしますが、決して拒否はしません。
暑くっても、寒くっても、雨でも一緒に行ってくれます。
人のように、決して「あとで!」とは言いません。

「手を伸ばしたら犬が隣にいることの意味とは?」

Tさん:道を歩くときに盲導犬に求められることは、角、段差、障害物
の3つを情報としてユーザーの方に教えることです。とはいえ、私たちが普段の生活で歩かなくてはならない距離というのはそれほど長くないんです。なので、1日の間に盲導犬がユーザーの方に情報
を提供している時間というのは案外短いものなのです。それでも、盲導犬が求められている理由には、ひとりで行動するということ、もうひとつは、横にいるということなんです。横にいることとはどういうことだと思いますか?たとえば初めての目的地へ出かけるとします。上手く到着出来れば喜びを分かち合うことができますが、失敗した場合にはお互いにお互いのせいにしておけばいいんです。お互いに言い訳ができるということは、とても健全なことなのです。仮に、白杖で目的地を探した
場合には、もし間違えると100%自分の責任になります。犬がいることで犬のせいにできるということは、とても健全なことなんです。
もちろん、たまには犬の言い分も聞いてあげないといけませんが(笑)。

・道を間違えると、トレ君は
「なんだよぉ!」って顔で僕を見ます。
僕はトレ君に「何とかしろよ!」と、言います。
それで、へこまず事態を打開出来ます。
喜びは倍に、苦労は半分こ出来ます。

段差が有っても僕は突き進んで生きます。
トレ君が鼻先を突っ込んで来て阻止してくれます。
お よ、よ、と成ってると、「だから言ってるのに!」と、
トレ君ににらまれます。
うっかりドライバーの僕ですが、
トレ君が来て、一度も溝に落ちません。
「ありがとう!トレイス」