ロボットよりイヌ!

ひとりピクニックに行く、車椅子の友人がいます。
其の友人は車の運転も出来ます。
マイカーに車椅子を積んで何処までも出かけます。
川や湖と、水辺が好きなので、駐車場で車を停め、
車椅子で散策をします。
車椅子を降りて、ベンチで
水辺を見ながら、のんびり時を過ごします。
でも、辺りの人は「自殺でもするんじゃないかしら」と、
痛い視線を向けて来るのだそうです。

問・盲導犬はロボットではいけませんか?
Tさんの答・ロボットが駄目というのではなく、何故犬が良いのか ということです。盲導犬は10歳で引退します。実際に働く期間は 8年です。その中で、犬は老いていき必ず死に至ります。人
間とはスパ ンが違いますが、犬も、生きて、老いがあり、最後に死ぬ、ということ
を知っています。死ぬことを知っているということは、逆に言えば生き
ることを知っているのです。生きることは楽しいことばかりではなく、 嫌なこともあることを知っているということです。我々にも良い日と悪 い日があるように、犬にとっても良い日と悪い日が
あるでしょう。それ が生きるということだと思うのです。だからこそ、私たちが感じる喜 び、楽しみ、悲しみ、苦しみ、といった気持ちを犬とシェア出来るので はない
でしょうか。だからこそ、盲導犬はロボットではなく犬という生物なのだと思います。

・僕は車に乗れないので、
ひとりピクニックには行けません。
我が家の辺り、周囲二、三キロをうろうろするだけです。
暑い時には木陰で、寒い時は陽だまりで、一休みします。
トレ君と一緒なので、よく誰かに話しかけられます。
もし、水辺に佇んでいたとしても、自殺しにくい状態に
成って仕舞います。
車椅子の友人にも、「介助犬は」と、言ってます。
湖畔に乗り捨てられた車椅子は寂しく映るが、
湖畔でのんびり昼寝の介助犬は穏やかな安らぎに、
見えるでしょうね。