大揺れ!

少し時間があるが港に帰ります。
港は次々と渡船が入ったり出たり、
ごった返して居ます。女子トイレは列です。

テントの待合室で乗船時間まで待ちます。
隣に座った小父さんと話します。
毎週、島巡りをしているそうです。
今日は此の後、豊島に行くのだそうです。
小豆島の竹の家が良かったと言ってます。

ガイドさん(船の助手?)さんは、事務所かな?
少しの間、席を外していて、帰ってきます。
もう、すっかりトレ君は懐いていて、
「何処に行ってたの」と、飛び付いて甘えています。

同じ船でやって来た三人組のお姉さんが帰ってきます
倉敷の女性だそうです。
地元で開かれている芸術祭だから
一島だけでも観ておこうと、来たそうです。
ふん、ふん、そうですか。僕も同じです。
お姉さんの一人が、トレ君をとても気に入ってくれ
船の出港時間まで遊んでくれます。

雨が降り始め、風が強く成ります。
船が着きます。船が揺れてます。
岸壁と船の間が、詰まったり離れたりしてます。
わー!深い海面が見え隠れしてます。
朝に乗った所から乗るのですが、トレ君尻込みです。
三十五キロのトレ君、僕は抱っこで来ません。
僕が先に乗ってリードを引っ張って、促します。
何度目かに飛び上がりますが、
わっ!危ない、滑り落ちそう!
船長さんと助手さんが、トレ君のお尻を押して、
デッキに押し上げてくれます。ほっ!助かりました。

船が港を離れます。其の瞬間から大きく揺れ始め、
トレ君ものんびり寝てられません。
僕も座席からずれ落ちそうだし、気持ちが悪くなります
生あくびがでて、胸がむかむかして吐きそうです。
船底から波が叩きつけるのでしょうか、頭の芯まで
ドンドンドンと響いてきます。
トレ君は僕の足の間に擦り寄って不安そうです。
えー。助手さんが救命具の事を言ってます。
トレ君の救命胴衣は有りますか?
「大丈夫、犬は自然に泳ぐから」と、答えです。