アルプスを西へ ベルニナ特急は行く・・

 25-遅い特急

 ベルニナ・エクスプレスは静にサンモリッツのホームを離れます。
窓が天井まで在る!と、自主的さんが教えてくれます。
窓ガラスに手を当てぐんーっと上まで伸ばせてみます。
車体の曲線にそって窓ガラスも天井まで折り曲がって在ります。
うーん そうだ!その意味が暫く走ると直ぐ分かります。
列車は高くそびえる山塊の谷合いを走ります。
列車に迫り来る様な断崖を見るには
そんな窓が必要なんです。

 鉄道フアンの自主的さんは大はしゃぎ、
こどもに返えちゃうな!と、起ったり座ったり・・
此のS字カーブで列車がうねる様に走るところを、
こうゆう角度で狙うだろ!良い写真が撮れるんだ!と、
口角泡を飛ばす勢いで語ります。
 ベルニナ線はアルプスの山裾に沿うように
くねくねと線路が在ります。
特急ですが、世界有数の遅さで有名です。
 
 特急列車ですから車内販売が在ります。
カートを引いてオジサンがやってきます。
スイスフランを使える最後よ!と、添乗員さんが、
あ!女性陣の買い物欲に火が点きます。
小銭まで、足りないと出し合って使ってしまってます。
オジサンのワゴンが空になりそう!
 ワゴンにはカモシカ?の剥製の頭がくっついてます。
其れをバックにオジサンと撮影タイムに成ってます。
オジサン、にっこり機嫌よくポーズです。
僕も!と、立ち上がるとオジサン嫌な顔です。
我らのボックスは誰も何も買わなかったのです。

 岩肌の荒々しい谷合いを列車が行きます。
あ!此処で写真を撮った!と、自主的さんが、
以前 鉄道フアンの撮影ツアーに参加したそうです。
向こうの岩場から列車を狙ったのだ!と、
本当に自主的さんは楽しそう!