三色もみじ!

 隣りの町との境目に
赤、黄色、緑と三色に色づく有名な
もみじの木の有るお寺が在ります。
山をひとつ越えて行きます。
山の中の小さな盆地に其の寺は在ります。

 我が家の辺りは全然紅葉は始まってません。
庭の銀杏やケヤキも未だ緑の葉を広げています。
気分転換にと誘ってくれた友達も、
「未だちょっと早いかも知れないね!」と、言いつつ、
軽いドライブのつもりで出かけます。
今日は日差しも有って温かです。
少しづつ元気に成って退屈している
術後のトレ君は久々のお出掛けです。

 峠に差し掛かると、友達の奥さんが、
あっ!此の辺に来ると綺麗!と、言ってます。
僕の目にはただただ暗い灰色ですが、
早くも葉を落とした梢の先が秋晴れの空に
突き刺しているのが見えたりはするので
紅葉から落葉に向かっているのを感じます。
でも 此の辺りは海抜三百メートル位です。
こんなにも違う物かと驚きです。

 そろそろ其のお寺です。
わー車がいっぱい、山間の狭い道に車が溢れてます。
何とか駐車場の端っこにスペースを見つけられます。
僕は此のこじんまりしたお寺が大好きです。
鄙びた色合いにひっそりと佇んでます。
狭い境内はもみじ見物の人で賑わってます。
あっちこっちの角度から眺め透かして、
カメラや携帯に納める人 人です。

 真っ赤なもみじと、大木の銀杏を背景に
名物の三色もみじの木が在ります。
秋晴れの空に向かって気持ち良く枝を広げ
赤、黄色、緑の葉を輝かせています。
 と、書くと、なーんだ見えてんじゃないか?と、
思われてしまいますが・・
全てが見える訳では有りません。
友達の説明やら、周りの人の声で感じるばかりです。
失った視力を切なくも思いますが、
トレ君と久しぶりに秋の風情に触れられた事に、
感動と感謝です。
此れが今年の僕のもみじ見物でした!