暮れなずむ王宮

22・28日 夕刻 暮れなずむ王宮
 岬から一時間ほど走って 詩人バイロンが
エデンの園 と讃えたシントラ王宮に・・
綺麗だなぁー!と添乗員さんが感嘆の声を上げてます。
晴れ渡った空が コバルト 茜 と変化させながら
深いマリンブルー の谷間に沈んでいく 
かって栄華を誇った王宮は 夢の様な美しさでしょう!
もう 僕には ただただ重いグレーの世界です。

 思い返せば 四十数年前 いずれ失明しますよ!と
医者に宣告され 其れならば 其の前に世界を見ておこう!と
地球の歩き方のハンドブックを片手に 横浜から出航
ハバロスク ナホトカとユーラシア大陸の東の端の方から
始まった僕の旅ですが・・ロシア 東欧 北欧 西欧と 折に触れ
巡り 少しは光の有る間に ユーラシア大陸の西の端に
到達したのだ!と思うと 先ほどの何のドラマの無い 
ロカ岬の風景も 感慨深く思えるのです。

 シントラ王宮はスペイン風の外観に イスラム様式の
タイルと漆喰のデザインが施された瀟洒な建築です。
山並みに沿って建てられているので部屋の移動に段差が在ります。
一番上り詰めた所に 王様お気に入りの部屋があります。
相対する山裾に貴族らの館の立ち並ぶのが望めます。
僕も気に入りました。
残されている 大きなキャビネットは見事な彫刻が
前面いっぱいにほりこまれています。