小さな畑ー1

 今朝も アスパラとウィンナーを炒めての
朝食を食べます。
 
隣のばぁちゃんの 在りし日の ずーっと前の話しですが
庭の片隅に 小さな 畳三枚ほどの菜園を造って
アスパラを植えています
 毎朝何本かの芽が出て
朝の食卓に並べます。
 其れが有る時 全部枯れてしまいました。
其れから二度と芽がでません。

 僕は スーパーでアスパラを見かけると
つい買ってしまいます。
残念ながら ばぁちゃんの畑の 朝採れの
新鮮な苦みは期待できません!
今朝のアスパラは 根元が グンニャリしています。

 ホームセンターでアスパラの苗を見つけたら
買いたいな・・と思いつつ
 幾夏も過ぎてます。

 ばぁちゃんは六十代の元気なころは
畑仕事に 興味を持たず。
水泳 フラダンス 婦人会活動にと
外に向かってばかりで 庭の草さえ引きません。

 其れが 糖尿病から乳癌 肺癌と
大きな病気に苛まれる頃から
突然に 畑仕事に目覚め
 家の近くに在るの 大きな畑にも
果敢に挑戦
夏野菜はもとより 大根に白菜と
食べきれないほど作ります。
 果物の収穫にも 孫たちを引き連れて
桜ん坊や山桜桃梅 無花果 レモンに夏ミカン
大漁の獲物を下げて 
意気揚々と帰って来る姿が想い浮かびます。

 果たして あの情熱は何だったんでしょうか・・?
衰えていく体力を感じて
自然の生命力に 浸りたかったのでしょうか・・?
目の悪くした僕は 何処に何が如何有るのか
分らず 唖然とするばかりでした。