小さな畑ー3

 朝採って 直ぐ食卓に並ぶ
アスパラ以来の新鮮な緑の味
隣のばぁちゃんのお蔭のご馳走です。
そして 此のエンドウ豆が ばぁちゃんの
最後の作品に成って仕舞いました。
 
 5月の中頃 食べつくしたエンドウ豆の蔓を
片付けていると・・
ばぁちゃんの義妹さんが
ミニトマト植える!って言います。
折角 畑が在るのだから植えとこうか。

 片付けて 石灰を撒いて 土壌を整備
土に肥料を混ぜて待ちます。
 一週間後 義妹さんがミニトマトの苗を持って来てくれます。
食べるのは 僕一人です。三本で良いよ!と言ったのに
六本も有ります。捨てるのも何だから全部植えましょう。

 わー 一週間もすると 苗は倍にも伸びてます。
急いで支柱を立て誘因します。
 家庭菜園をやって居る友人が
二週間に一度 掌いっぱい上げなさい!と
追い肥えをくれるのです。
 脇芽は取らなきゃ!とかいでいく人もいます。

 もう 実が成って居る茎も有ります。
ばぁちゃんの納屋を探して
棚の材料を集め ちょっと 小ましな
棚を造ります。

 今まで 食べるのしか手伝わなかった
にわか園芸家ですが ちょっと面白く成って
ミニトマトの後は 何を植えようかな・・なんて考えててます。

 ばぁちゃんの病床に
ミニトマトを植えてるよ! もう実が付いててるよ!と
話しかけます。
 変わらず応えはないが
大きな目を開け 話は聞いてくれてます。
もしかして 其れは良いね!と 心で
思ってくれているのかも知れません・・!

 隣のばぁちゃんは 一言も話せぬまま
倒れて四ヶ月目の六月の初に亡くなりました。
もう 小さな畑のミニトマトは食べてもらえません!
何の言葉もも伝えませんでしたが
目を悪くして いろいろ諦めている僕に
野菜作りの楽しさを 小さな畑に残して
逝ってのかもしれません!