他山の石を・・・

今回のモニタリング旅行は
視覚障害の僕一人と肢体不自由で車椅子の二名
計三名の小さなツアーです。

車椅子の若い男性は体全体にマヒが有ります。
声も出にくいのかキーボードを叩いて音声化しています。
特製食器も持参です。
滑り止めの着いた皿置き台に
自前の食器を置いて、料理を移してもらい
これも食べやすい様に工夫されたスプーンで食べてます。
ただいま重複障害中の僕も、自立するには
工夫が要ります。今日はみほりんさんに甘えました。

家に帰って、少し傷の痛みが和らいだ時、
パソコンをしたかったのですが。
いつものピアノタッチでは右手のギブスが邪魔して、
間違えたキーを押してしまいます。かと言って
左手だけで見えないキーボードは叩くのは苦難の技です。
其の時、ふっと思ったのです。
車椅子で手にマヒの有る方が、
一本の棒を口に咥えたり、手に固定してキーボードを
叩いています。「そうだ、これだ」と、思いついたのです。
指を帽の様に真っ直ぐにしてみよう!
右手首の骨折ですから、ギブスから指先が出ています。
手をバレーダンサーの爪先立ちの様にして、
キーボードの上でダンスをさせるのです。
最初は間違えたキーを押したり、疲れて手が斜めになると
ギブスの先がキーに触れて、変換されてしまったりです。
でも何事も慣れですね、
此の頃はだいぶ早く打てるようになってます。

あっ!話しが少しそれました。
としまるさんたちにトレイス君のトイレ出しを
手伝ってもらい、お別れです。
みほりんさんありがとう。ノア君おやすみ!
少し雨がふったみたいで、並木の路上は濡れてます。
「またお会いできる日を楽しみにしてますね」

それから僕はホテルのスタッフさんと、部屋に帰ります。
部屋の様子、お風呂、湯沸しなど、備品の事
細かくあれこれ説明をして頂きます。
今夜は介助無しの一人寝です。
部屋はツインですが、一個のベットを隅に押しやり、
トレイス君の為に広く使えるように配置を換えてくれてます。

「あー!夜になると傷は痛みます」 
温泉ではないので、さっとシャワーを浴びて
化膿止めと痛み止めの薬を飲んで、早々に寝ます。