思い出のせいかリレー

 カツッ カツッ とファイヤーアテンダント 5名の靴が 音を立てて止まります。 聖火を次にバトンタッチの地点です。 僕はトーチを高く掲げ前に差し出すと  次の奏者のトーチが近づき 聖火を引き取ります。  係官が素早く 僕とトレ君を 沿道に引き上げてくれます。  引き継がれたせいかは 感性と騒音を ひきつれ 先へと進んでいきます。
 沿道に上がると 役員の人たちが 良かった 良かった トレ君立派だったよと 僕ととれくんをねぎらってくれます。
 轟音が鳴り響くような  渦の真ん中を トレ君は 乱れることなく まっすぐに 僕を導いてくれました。  あめが 本降りになりそうな気配でしたが われらが出発するころから 薄日が差すような 好天に変わっています。  僕の失明を心配しつつ逝った良心の 空からの  お祝いだったのかな!?