不思議のカラクリ

「危ない物は何も持ってませんよ」
それに決して怪しい者では有りません。
「バッグに液体が入ってるだろう」と、
出国検査官が言ってるみたいです。
「あっ、あ、あ」です。
先ほど飛行機の中で貰ったトレイス君の水、
半分残って持ってます。
行きもそうでしたね。此処で水、没収でしたね。

如何しても理解出来ません。
飛行機の中で貰った水です。
それから此処で同じ飛行機会社の飛行機に乗り換えます。
乗り換える間、待合室で待つだけです。
もしかして、待合室の水売り場のオバサンと結託して、
三十ユーロもする高い水を売りつける為ですか??

ぞろぞろ我らメンバーさんは出発ゲートに行って、
ここで一時間以上待ちます。
不思議、ツアーメンバーさんは直ぐ散ってしまいます。
カフェに行くのでしょうか?免税店に行くのでしょうか?
残るのは、目の悪いご夫婦と僕と、車椅子さん、
あっ、車椅子さん一昨日から見ていません。
明るい待合室なので、トレイス君と辺りを探します。
あ!居ました。待合室のソファーの間に
ぽっつんとした感じに居ます。こんなに小さかった?
昨日ユーザーHSさんから「車椅子さん疲れているよ」と、
聞いていましたが、本当に疲労困憊の顔です。
明るい笑顔だったドレスデンの時からは、
半分ほどに成って、しょんぼりです。

・・後で聞いた話しですが・・・
車椅子さんは、一昨日の夜、ホテルの部屋で
こけたのです。それからとても体調悪く成ったのです。
プラハは寒波で冷えてます。体温調節も難しいのです。
其れなのに黙って頑張っています。知りませんでした。
成田に着いて、空港の救護室でひとり、
お母さんが迎えに来るのを待ってたのです」
そんな様子を見たお母さん、大変腹を立ててます。
其の時、O女史は、僕らとトランクを宅配で送って、
「バスの時間ですから」と、さっさと帰って行きました。