信濃紀行‐9 澄み渡る庭

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気分を直して、お茶タイムを楽しんで、宿にかえります。
美術館の点在する此の辺りは別荘地帯でもあります。
ひと夏、いや秋が良いかな!ゆっくり滞在したいですね。

今夜の泊まりは公営のこじんまりした温泉宿です。
玄関も部屋もお風呂もフラットなバリアフリーです。
ロビーや休憩室も松本民芸家具が置かれていて、
和と洋がマッチした造りに成ってます。
居心地良いけど、部屋で居ては、旅の甲斐が有りません。

ちひろ美術館の庭に散歩に出ます。
美術館は休みでも庭は開放されてます。
「寒い!」ぶるぶるです。
先週はTシャツ一枚でも良かったのですが、
「寒く成るよ!」と、隣りのばぁちゃんの薦めもあって、
長袖シャツにベスト、上着も着てきたのですが、
それでも振るえるほどに寒いです。
庭は低い山を背に川在り、池在りで、
何処までも広がっています。
透明感の有る澄み渡るような風景です。
其の新緑の木々に、アルプス降ろしの風が、
晩秋のように冷たく吹き付けているのです。

庭の端の方に、ちひろさんの別荘が移築されて在ります。
三角屋根のロフト付きワンルーム。
「俺の部屋にしたいな」と、トレ君が言ってます。
玄関脇に三角屋根に負けないくらい、
思い切り背を伸ばした桜の木が一本在ります。
桜が満開の時、アトリエの大きなガラス窓一面が
花で溢れるでしょうね。

庭の少し窪んだ所にベンチが在ります。
デッキチェアーの様に深く座れるベンチの其処だけが
風も避けて日溜りに成っていて暖かです。
我らは庭の懐に包まれるように、優しい時を過ごします。
・写真は寒そうなトレ君です!