驕れるものは・・・

船の助手の人に案内所まで連れて行ってもらいます。
芸術祭パスポートを見せて、
「眼が悪いので、サポートをお願い出来ますか?」と、
聞きます。と、「そう言う制度は有りません」と、
仁部もない返答です。
「じゃぁ、私が行きましょう!」と、
船の助手の人が申し出てくれます。
そして「チケット買わなきゃいけないか?」と、聞きます
「えー、それは申し訳ないよ。ガイドして頂くのだし」
無料が当然でしょう!と、僕も声を出します。
案内所さんは怒ったようにきつい口調で、
「特別ですよ」と、
船の助手さんにパスポートを渡します。
本来なら主催者側がすべき事を、
好意で申し出てくれたのです。
パスポートを貸すだけでなく、「宜しくお願いします」と
一言そえるべきでは有りませんかね、ベネッセさん。

右手を真っ直ぐ行くと美術館の入り口と聞いていましたが、初めての所は様子が分かりません。
僕はガイドを得て、安心で行けます。

犬島は銅の精錬所跡を柳幸典のアートプロジェクトで
再生した美術館という事でかなりの期待です。
他の島には見られない、崩れていく産業遺産の
精錬所が、独特の荒廃した景観を作り出していると、
テレビでも行ってました。
でも、煙突が見えてきても、海岸沿いの道は整備され
建物側は御影石を築き、芝を張り、植栽が施され、
公園か?リゾートホテルの庭?と思わせる風情です。

「以前は凄まじかったですよ」と、
ガイドさんは話してくれます。
赤黒い焦土が海岸まで続き、煙突は今にも倒れそう、
煉瓦の精錬所は崩れる要塞の様に在ったそうです。
何故其の部分をこんなに隠してしまったのですか?
ベネッセさんの意図は分かりません。
あなたの驕り(おごり)ではありませんか?
美術館に行き着くまでに失望です。