9−旅は北へ

トレ君は怒っています。
鼻をひくひくさせて、
バスに戻ってきた我らをチェックです。
「何してたの?」「何か美味しい物食べてたでしょう」
敏感な鼻でクンクンです。
楽しそうに帰って来た我らは、
スルメの良い匂いがプンプンなんでしょう!
「手に持ってんじゃないの?」と、
手の平に鼻を突っ込んで来ます。
「なーんも持ってないよ!」と、両手を広げて見せると、
今度はポケットをチェックです。

それではと、お水を上げると、やっとダウンです。
雪で屋外の観光はキャンセルで、
近くの小さな水族館に向かいます。
小さな水族館は触って見れます。
入って直ぐに低い水槽が在ります。
トラボラさんが水槽から
ザリガニを掴みだして持たせてくれます。
思ったより大きい、握り拳より大きな貝です。
貝の隙間に指を入れると、ザリガニがもそもそします。
ヒトデも触ります。綺麗な星型です。
ホールの真ん中に、高さ二メートルほどの
大きな水槽が在ります。
鮫や鯛など沢山の魚が泳いでいるそうです。
僕の目には青い水がもやもやと揺らめくだけです。
一番奥はカニ類の水槽です。
此方も暗くって見えません。
柱の所に高足蟹の甲羅と鋏の部分が
剥製にして飾られて在ります。
わー、大きい!高切りバサミの様な鋏です。
甲羅は僕の出っ腹ほども有ります。
全長二メートルは有る!とか、
海底で追っ掛けられたら怖いです。
まるでSF映画の世界です。
もっともっと触れる剥製が有るとうれしいなぁ!

盲導犬は初めてとの事で、館長さんが記念撮影です。
「トレ君、ポーズが上手!」と、
トラボラさんに褒められます。
そうです、トレ君は元モデルです。よ!
それから竹細工で作った蟹を見せられます。
色んな形が有って、傘を持って踊っていたりもします。
竹の節と使って蟹の関節を旨く表現しています。
ワークショップで制作出来ます。
どんなオリジナルな蟹さんが生まれるでしょうか?
デモ今日は我らは突然の訪問なので作りません。