月別アーカイブ: 2009年11月

雷鳴で幕が・・・

リュックが無い!
熟睡してる間に盗まれたのでしょうか?
おろおろしていると、
そんな只ならぬ空気を察したのでしょうか、
爆睡していたトレイス君もびっくり眼で
顔を上げてキョロキョロです。
「あっ!」 其の顔の向こうに・・何かが・・
通路に僕のリュックが転がってます。

岡山駅到着です。
わー!焦って降りる準備です。
乗客のの皆さん、もう降りてます。
駅にお願いしていたガイドさん、
座席まで迎えにきてくれます。

乗り換えの四国線には少し時間が有ります。
ホームのベンチに案内され待ちます。
すると、そよっと生暖かな不穏な風がそよいで、
辺りが 一瞬に暗くなり、
ピッカー、ゴローと雷鳴が轟いて、
ドッシャーと激しい雨です。
ホームの真ん中まで雨の飛沫が来ます。
不安そうにトレイス君は擦り寄ってきます。
「トレイス君 どうしよう」 どこかに非難しようか?
未だガイドさんが来ませんが、立ち上がって
移動しようと思った頃、
空がすーっと明るく成って、雷鳴が遠のいて行きます。

四国線の時間が来て、
案内されて無事乗り込みます。
雷鳴に送られ、傷だらけで旅した
モニタリング山陰旅行は終わります。

トレイス君との楽しい思い出が、また一つ増えました。
長々と書きましたが、詠んで頂いた方、
ありがとう御座いました。・・おわり・・・

帰りは寝るに限ります。

鳥取から岡山までの特急は二時間に一本です。
予定より一つ早い14時の特急にと、
特別にトラベルボランティアさんに、
駅まで送ってもらいます。
皆さんは砂丘のレストランで昼食です。
「トレイス君 さようなら」と、皆さん、別れを惜しみます。

駅で弁当、手でつかめる巻き寿司と
パンを買うのを手伝ってもらいます。
改札から駅員さんに誘導され列車に乗り込みます。
列車は空いてます。
発車するとトレイス君は、直ぐ、眠りの態勢です。
旅の帰りは、いつも、ぐっすり 夢の世界です。
僕も弁当を食べ終わると、
バッタンキュと寝てしまいます。

目覚めると、アナウンスが岡山到着と
乗り換えを知らせています。
「わっ!」 良く寝ました。急いで降りる準備です。
「あれっ!」 僕のリュックが在りません。
「どこ、どこ、何処だー」 焦りまくりです。

はてー??・

一週間もブログの日記が更新されないので、
心配した友人、不信に思った知人から
電話が入り始めます。
だんだん視力が悪化して、
いろんな事が出来なくなって行く中で、
せめてブログの日記だけでも毎日書こうと思い、
このところ、ずーっと続けておりました。
二日、三日は休む事は有ったのですが、
こんなに休んだ事は無かったです。
家に帰っても当分は書けないかも知れません。

それで、旅行に来て、鳥取砂丘で
遊んで居るとは言わないで、
「手を怪我してるので」と、話します。
怪我している上に、旅行してると知れたら、
友人、知人にどんなにあきれられるでしょう。

昼近く成ると、薄日の差していた鳥取砂丘に
不穏な黒い雲がおおいます。
今日の天気予報は午後「激しい雷雨」です。
そう言えば、天気予報はこの三日は
雨マークが付いていましたね。
トレイス君と自分のレインコートを用意してました、
でも、幸いに使う必要は無かったです。

最後に雨が来るでしょうか?
我らは急いで砂丘を下ります。

砂丘を駈ける!

ホテル風 和風旅館を後にします。
仲居さんやフロントの方と、
沢山の人が見送ってくれます。
「トレイスちゃん、またねぇー」と、甘い声が掛かります。

鳥取砂丘へは、鳥取駅より福祉タクシーで、
思いのほか近かったです。
若いボランティアさんが4名、
砂丘用車椅子を引っ張り上げる為に来てくれてます。
若い力で砂丘を登ります。
何でこんなに、山ほどに砂が溜まったのですか?
苦労して登った砂丘は、日本海から潮騒の音が聞こえ
風が吹き渡って、汗ばんだ身体に気持ち良いです。

力尽きて、ぶっ倒れているいる若いボランティアさんを
トレイス君はペロペロ慰問です。
辺りには、他の観光の人も居なかったので、
トレイス君のハーネスとリードを外してあげます。
するとどうでしょう、トレイス君は猛ダッシュです。
ぴゅーん、ピューンと、最初からお世話頂いて、
親しんでいる二名のスタッフさんと僕の間を三角形に
砂を蹴って駆け巡ります。
「わー、恰好良い!」と、
皆さんがカメラを向けます。
本当にトレイス君、嬉しそうです。伸び伸びしてます。
皆さん、なかなかベストショットが撮れないので、
「トレイスくーん、走って!走って!」と、
何度もリクエストです。
今回のツアーでは、鳥取砂丘だけは何度か来ています。
それで、あまり気乗りがしなかったのですが、
皆さんに可愛がられて、トレイス君の楽しそうな様子を
見ていると、あー!来て良かったなぁーと、新しい感動です。

湖畔の朝

旅の三日目の朝です。
トレイス君の朝のトイレを済ませ、
和室の方の窓を見ると、少し明るく成ってます。
窓を開け放すと、今まさに
湖面の淡いブルーに、湖畔の影絵のような山々
山の端から新鮮な光が
暗い空を押し上げようとしています。
神々しい光、穏やかな湖水、揺らぐ微風
あー、未だ見る事が出来るんだ、感じる事が出来る
残り少ない視力に感謝です。

スタッフさんにお願いして、
湖に浮かぶ露天風呂に連れて行ってもらいます。
いま、山の端から出たばかりの陽光が
湖面にも露天風呂にも満ちて、
体ばかりでなく、心のも洗われていくようです。

さあ!朝ご飯です。
ホテル風和旅館ですから和食です。
卓上のコンロでひらめの開きが焼かれています。
小さな小鉢が八つに、味味噌とか和え物がいっぱいです。
家庭料理の匂いがしています。
それぞれ、ごはんにまぶして頂きます。

「温泉に入れなかったのよ」と、
下半身麻痺の女性が言ってます。
車椅子では入れない段差があったり、
旅館は女性の人手が少なく、
サポートがしてもらえなったのです。
僕は温泉三昧で満足していたので、
かえって、さびしい話しに聞こえます。

ホテル風和旅館

って事で、夕食の時も
担当の着物姿の仲居さんが、
我らの部屋に付きっ切りで面倒を見てくれます。
「今日は特別だからね」と、
右手を怪我している僕の為
ゆで蟹の身をほぐしてくれています。
そうですね。山陰の旅館のご馳走には
きっと、蟹が出るだろう!と、思っていました。
右手が使えないし、前歯が二本欠けてるし。
唇は三針縫ってるし・・・未だ痛いし・・・
うーん!どうやって食べるかな???と、思案でした。
あー、もう お皿には白い身が山盛りです。

料理は、和洋中と盛り沢山です。
宍道湖よりかなり大粒の蜆汁もあり、
悪戦苦闘で平らげます。
栗おこわも有るのに、白いご飯も出ます。
満腹で其処まで食べれません。

仲居さんは「トレイスちゃん」と、トレイス君の名前も
直ぐ覚えてくれてます。
我ら一行の顔と名前も完全に覚えてます。
其れがプロと言うものですか・・・

ハワイで温泉三昧!

「温泉に来たら、到着して一風呂、
寝る前に一風呂、そして起きて朝風呂を!」
「三度は浴びなくちゃね」
そうそう!としまるさんも言ってましたね。と、
スタッフさんが・・・言って
それで我らも、部屋に荷物を置いて、
トレイス君の夕食を済ませると、
さっそく一風呂浴びに出掛けます。

先ずは湖上の露天風呂へ、
湖に木の橋が架けられ、雪洞など灯して
何となく色っぽい仕掛けで、
湖上に浮かぶ半露天風呂に続いています。
そこで、さっと一風呂浴びて旅の汚れを落とし
食事どころへ急ぎます。腹も空いてます。

夕食後はトレイス君のトイレをさせて、
スタッフさんの用意してくれた敷物の上に
トレイス君を寝かせ、本格的な入浴です。
怪我をして久しぶりの入浴です。
広い大浴場ですが、貸し切り状態で、のんびりです
スタッフさんに背中を擦ってもらいます。
何日ぶりかの垢を流します。
車椅子の青年は膝で歩いて、
自力で入浴しています。

朝は、また湖上の露天風呂です。
三百六十度が湖で、湖に浸かっているようです。
夜の様な色気は無いですが・・・
今まさに朝日が上った所で、神々しい光と
湖面を渡る爽やかな風に、身も心も癒されます。
怪我などは、直ぐ治ってしまうでしょう。

湖畔のハワイ温泉

今夜の泊まりのハワイ温泉に到着です。
ここで今日お世話に成った
鳥取西部トラベルボランティアさんとお別れです。
大粒の小梅さんありがとう。
小梅さんが、本日観光した所のパンフレットなどを
ファイルにして渡してくれます。
やっぱり頼りに成りますね。

明日お世話に成る
とっとり東部ボランティアさんが
早くも今夜、出迎えてくれています。

今回のモニタリングツアーは公共交通機関を使います。
でも、僕らに配慮して車を一台出してくれてます。
それで僕らの着替えなどの大きな荷物は
運んでくれています。
それに、腕や胸を骨折している僕の為
トレイス君の敷物や手を取るころころなども
車のスタッフさんに用意して頂きました。

ハワイ温泉の湖畔の宿は
大きな窓から暮れていく湖が望めます。
畳の部屋とツインベットの在る、広々とした部屋です。
トレイス君とふたりだけで寝るのは勿体無いですね。

そしてホテルと行っても温泉宿です。
着物の着た仲居さんが居て、
ウエルカムティーなどの接待をしてくれてます。

湖畔の中国?

次は、かろう湖、湖畔の中国庭園に向かいます。
JR松崎駅からはバスでなく、福祉タクシーに乗ります。
湖畔の道を少し走って到着です。
全く中国式の建物が立ち並んでいます。
何故?こんな所に、こんな中国庭園が在るのだろうか?
西湖と見立てているのだろうか?
しかし車椅子の青年は熱心に写真を撮ってます。
孟子や孔子の大きな像も在ります。
公園を一回りして、我らも記念撮影をします。
駐車場に出て来ると、湖の向こうに
日が沈もうとしています。
宍道湖の夕日は見えなかったが、
かろう湖の夕日が見えそうだと
期待しましたが、日が赤さが増す頃
湖上に黒い雲が棚引いて、
残念にも、どんよりと暮れて仕舞います。

車椅子の乗れるバスを少し待って
JR倉吉駅に向います。
駅などには最近は
車椅子用のトイレが備わっていますが、
一ヶ所しか無いですよね。
我らのツアーには車椅子が二台です。
その点で少し時間が掛かります。

僕は駅のベンチで待っていると、隣りから
「最初は苦手だったが、だいぶ慣れたわ」と、
若い女性の声が聞こえます。
我らのツアーの車椅子の方です。
今回のツアーの車椅子の男性も女性も
二人とも犬は苦手の様です。
手、足の不自由な人は
恐い思いをした事が有るのだろうか???
人なっつこいトレイス君を見て、
ワンちゃんを、盲導犬を好きに成って欲しいです。

列車の時間に成ります。
乗車のプラットホームは改札口の向こうです。
小さな駅にはエレベーターが在りません、
車椅子を皆さんが線路に降りて運んだ様です。